「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が10月23日の午後4時50分から、都内で行われる。“運命の日”まで残り1か月を切り、視察を重ねる12球団スカウトの「眼」も、さらに熱を帯びている。

スポーツ報知では3人の記者が「イチ推し」のドラフト候補をピックアップするとともに、今秋のドラフトについて展望した。

◆竹丸和幸 鷺宮製作所 23歳投手

 ドラフト戦線で毎年、スカウト陣から熱い視線を受けるのが即戦力の社会人サウスポーだ。昨年は、NTT西日本の伊原陵人が阪神1位、西濃運輸の吉田聖弥が中日から2位で指名された。一昨年は、ホンダ鈴鹿の森田駿哉が2位指名で巨人に入団している。

 今年、真っ先にその「枠」に入ってくるのが鷺宮製作所の竹丸だ。178センチ、69キロの細身のサウスポー。しなやかなフォームから最速150キロの切れのあるストレートを投じ、決め球のチェンジアップ、スライダーにカーブ、カットボールと多彩な変化球を自在に操る。「どの球種でもストライクを取れるのが一番の強みです」。ドラフトイヤーを迎え、その投球はさらに安定感を増している。

 3月のJABA東京大会はJFE東日本との準決勝に先発し、8回2失点。初優勝に貢献した。都市対抗野球の東京都予選では2試合に登板し、10回2/3を自責点1。

防御率0・84と圧巻の数字を残した。8月の本大会は、TDKとの1回戦に先発して6回2安打1失点。チェンジアップがさえ8三振を奪うなど、8強入りに貢献した。

 視察したロッテ・榎アマスカウトグループディレクターは「見るたびに真っすぐが強くなっているイメージで、今まで見たなかで一番よかった。力感のないフォームから投げるストレートは打ちづらく、空振りが取れる」と高い評価を与えた。

 出身高校は広島の崇徳。最後の夏は背番号10で臨み、県大会4回戦で先発したが、4回1失点で敗れた。高校で野球はやめるつもりだったが、当時の監督の勧めで首都大学リーグの城西大へ進んだ。それでも4年春までは同リーグ2部。「働きながら軟式野球でも」と考えていたところ、鷺宮製作所から声がかかり24年に入社した。日の当たらない道を歩んできたサウスポーが、ドラフト1位の栄誉をつかみ取ろうとしている。(浜木 俊介)

 ◆竹丸 和幸(たけまる・かずゆき)2002年2月26日、広島市生まれ。

23歳。崇徳では2年秋に初めてベンチ入り。城西大では2年春に2部リーグデビュー。4年秋に1部に昇格して3勝1敗、防御率1・52(リーグ2位)。178センチ、69キロ。左投左打。

編集部おすすめ