パ・リーグ 西武5―8日本ハム(26日・ベルーナドーム)

 ソフトバンクの優勝を阻止する大飛球がバックスクリーンに消えた。日本ハム・水野は、4―4の5回1死二、三塁、糸川のシンカーを捉え決勝3ラン。

「下位打線だからといって、なめられたくない。すごいアーチストになってきたなと思います」。自身初となる2試合連続の一発。昨季に並ぶ自身最多タイの7号に白い歯を見せた。チームは、初回に3点を先取されながら勝利し連敗を3でストップ。敗れれば、ソフトバンクの連覇が決まる土俵際で踏みとどまった。

 新庄監督が絶賛する得点圏の鬼が勝負を決めた。今季は打率2割5分1厘に対し、得点圏では3割5分8厘をマーク。指揮官から「打率は低いけど、得点圏で右中間、左中間に長打を打ってインパクトに残る。ランナーがいない時は、期待していないんだけど」といじられるほどの勝負強さを誇っている。水野自身も「チャンスの時は見え方がいい気がします」と得意げに笑った。

 16年以来9年ぶりのシーズン80勝に到達した。

指揮官は「本当になんもないっすよ。全員で勝つのみ。なんもない。ほんとなんもない。勝つのみ」と同じ言葉を強調し、報道陣の前をわずか10秒足らずで通過した。04年に球団が北海道移転した後、80勝に到達した過去3度(06、09、16年)はいずれもリーグ優勝を果たした。ハイレベルなパ・リーグの火は消させない。新庄ハムは最後まで抵抗し続ける。(川上 晴輝)

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