ヤクルトは27日、川端慎吾内野手が引退することを発表した。同日、都内の球団事務所で引退会見を行う。

 市和歌山商(現・市和歌山)から2005年高校生ドラフト3巡目でヤクルトに入団。巧みなバットコントロールを生かし、15年にはチームメートの山田とデッドヒートを繰り広げ、首位打者と最多安打のタイトルを獲得。リーグ優勝に大きく貢献した。

 17年8月に椎間板ヘルニアの手術を行い、20年1月にも腰の手術を行った。「手術を2回して、あのへんで終わっていてもおかしくなかったので、そこからよく粘ったなと思う」。以降はスタメンでの出場機会は減少していったものの、晩年は代打職人として返り咲いた。21年には代打で日本記録にあと1本に迫る30安打を放ち、日本シリーズ第6戦では決勝打を放つなど日本一に貢献した。

 かつての首位打者も近年は「2回も手術して、次はない。次に腰をやってしまうリスクも考えなきゃいけない」と代打起用を受け入れた。セットアッパーとの勝負を見据え、甘い球を一発で仕留めるために理想のフォームを追い求めた。足の上げ幅を小さくし、トップの位置から一直線にバットを出す確実性を求めた。無駄を省いたフォームを武器に、代打では通算401度の起用で359打数94安打の打率2割6分2厘をマーク。

代打で94安打は球団最多だ。

 「後悔のない打席を」送るために、最善の準備を怠らず努力を重ねてきた“代打の神様”が静かにバットを置く。

 ◆川端慎吾(かわばた・しんご)1987年10月16日、大阪・貝塚市生まれ。37歳。市和歌山商(現・市和歌山)から2005年高校生ドラフト3巡目でヤクルト入団。15年には首位打者と最多安打のタイトルを獲得。同年のプレミア12日本代表として銅メダル獲得に貢献した。通算1326試合に出場し打率2割9分3厘、40本塁打、409打点。185センチ、86キロ。右投左打。

編集部おすすめ