◆米大リーグ レッドソックス4x―3タイガース(26日、米マサチューセッツ州ボストン=フェンウェイパーク)

 プレーオフ進出に王手を掛けていたレッドソックスの吉田正尚外野手が26日(日本時間27日)、本拠地でのタイガース戦に「4番・DH」で先発。今季3度目の3安打固め打ちとなる4打数3安打1打点1得点と大活躍。

4―3の9回サヨナラ勝ちに貢献し、メジャー3年目で念願の大舞台進出を決めた。吉田は7試合連続安打。直近10試合で7度目のマルチ安打と絶好調で、打率は2割7分2厘となった。レッドソックスは88勝72敗で、2021年以来4年ぶりのプレーオフ進出となった。

 

 3―3で迎えた9回1死一塁。ラファエラの打球が中堅手の頭上をを越えると、吉田もベンチから飛び出し、三塁上に膨れ上がった歓喜の輪に飛び込んだ。今季メジャー最多となる12度目のサヨナラ勝利。チームのスタイルを貫いてレ軍がプレーオフ切符をゲットした。吉田にとってはメジャー3年目、ついにプレーオフの扉が開いた。

 「今年はサヨナラも多いし、逆転も多い。クローザー(チャプマン)がしっかりといい流れをつくって、ラファエラは今年何回も(サヨナラ打を)やっているので、そういう雰囲気になっていた」。3万7052人とチケット完売の本拠地が揺れた。

 

 バットで10月の舞台を引き寄せた。この日の先発は14勝していたマイズ。「全体的に切れが良く、皆も差し込まれていた。早いカウントで仕掛けようと思った」。第1打席にスライダーを右前に弾き返すと、4回無死二塁で迎えた第2打席は初球の直球をセンターに。3点のビハインドから反撃ののろしを上げる中前適時打となった。7回は高めの直球を逆方向に運ぶ左前打。続くゴンザレスの一塁ライナーでは素早く一塁帰塁。併殺を逃れた好判断に「最低限を頭に入れてプレーできた」と頷いた。続くラファエラの二塁打で三進しN・ローの犠飛で2点目のホームイン。

 8回に3―3と追いついたレ軍は、9回に守護神チャプマンを投入。サヨナラ劇につないだ。

昨年8月以来となる7試合連続安打。直近10試合で7度のマルチ安打を記録し、その間、打率は4割3分4厘。9月13日の時点で打率2割2分7厘と苦戦していた吉田が、プレーオフ争いの佳境でV字復活し、チームを加速させている。

 コーラ監督は「マサはアメージング。強い打球を飛ばして打席内容がいい。彼は好打者であり、信頼できるガイだ。健康なら生産性を呼ぶ」と絶賛。9月の変化を問われて「(肩の状態が)100%に近づいて、ようやく、自分の試合前のルーチンができるようになったから」と答えた。昨年オフの右肩手術で出遅れ、8月に復帰後も、実際は、リハビリと実戦が同時進行していたという。

 シャンパンファイトの美酒に酔いしれた後、「なかなか結果が出なくて、チームにも迷惑をかけた。1年間フルで戦えなかったけれど、皆と助け合いながら、きょうを迎えられた。ここに立てたというのは、次のステップへの流れ。

ここからもっとしびれると思います」と、10月の戦いを見据えた。

 

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