パ・リーグ 西武1―4ソフトバンク(27日・ベルーナドーム)

 ソフトバンク先発の有原航平投手(33)がチームトップタイ13勝目を挙げた。リバン・モイネロ投手(29)、上沢直之投手(31)、大関友久投手(27)も10勝以上を挙げ、球団では05年以来の“2ケタ勝利カルテット”。

最後は4人による4連勝で頂点に立った。

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 今季を象徴する“カルテット”の4連勝で、ゴールを駆け抜けた。有原が7回5安打1失点で、チームトップタイの13勝目。初回先頭から3連打で先制されたが「いつも通り打者に集中」と以降は安定し、逆転を呼んだ。2年連続の開幕投手を務めた柱。「開幕もやらせてもらったのに、いいスタートが切れなかった。本当に、きょう決めたいと思った」と責任感をぶつけた。

 今季はまさかの3連敗発進で、初勝利は5度目の登板。得意のカットボールの不調に悩んだ。それでも落ちる球を中心とした配球に切り替え、ライバルが困惑。日本ハムのコーチは「別人」と困り果てた。工夫をこらし、6月上旬から8連勝。

後半はカットボールも復活した。幅広い投球術と修正能力。経験値が詰まった活躍で、ローテを引っ張った。

 チームは20年ぶりに2ケタ勝利が4人。有原とモイネロが貫禄を示し、大関が飛躍した。育成出身の6年目左腕はオフに約20キロ減量。メンタルトレーニングに励み「投球に心理学を」と独特の感性で成長した。さらに、米挑戦を1年で断念した上沢の補強も大当たり。「いい投手の話を聞けたおかげ」と杉山、藤井らに積極的に助言を頼むなど新天地に溶け込み、後半に調子を上げた。8月は4戦4勝で月間MVP。優勝争いの要所で「重圧より、うれしい」と躍動した。

 「悪い試合のイメージはいっぱいあるけど、優勝できて、ほっとした気持ち」と有原。

キャンプ中にローテ入りを決めた4人が文句なしの成績で完走した。この日を含めて有原は13勝9敗、大関は13勝5敗、上沢は12勝6敗、モイネロは12勝3敗と4人で計50勝、貯金27をたたき出した。故障続出など誤算だらけのチームにとって、先発陣は唯一の“期待通り”だ。(安藤 理)

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