◆米大リーグ ドジャース8―2メッツ(15日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が15日(日本時間16日)、本拠地・メッツ戦に5年ぶりの“一刀流”で6回10奪三振、1失点と快投し、今季2勝目を挙げた。エンゼルス時代の21年5月28日(同29日)の敵地アスレチックス戦以来の投手専念。

自責点0の連続イニングで、日本人先発最長記録を「32回2/3」に更新し、「ジャッキー・ロビンソン・デー」での自身初登板を白星で飾った。

 ギアを上げた背番号「42」の大谷は最少失点で切り抜けると、グラブを何度も何度もたたいた。1点を返され1点差とされ、なおも5回1死二、三塁のピンチ。だが「全力で抑えにいく場面だった。シーズンを投げる中で全力をずっと100球投げるわけにはいかない。あそこは1本で逆転される場面だったので」。ここからが“一刀流”の真骨頂。9番ファムには2球連続100マイル(約160・9キロ)超の直球で空振り三振。続く強打者リンドアにも直球を2球続けて左直。圧巻の100マイル4連投でピンチを切り抜けた。

 エンゼルス時代の21年5月28日(日本時間同29日)のアスレチックス戦以来、22年の「大谷ルール」導入後は公式戦初となる投手専念で6回10奪三振、1失点。今季2勝目を挙げ「イニング間が長くは感じるので変な感じはしたけど、集中できた。

いつもより、打者の対策をとる時間は多く、有意義な時間が多かった」と利点も生かした。

 2日前の試合で右肩付近に151キロが直撃する死球を受けたばかり。投手専念を決めたロバーツ監督は「まだ少し痛みが残っている。トレーナー、投手コーチ、そして私もそれが最善だと判断した。良い決断だったと思う」と説明。大谷は「ちょっとびっくりはしたけど、チームとしてもいい戦略」と、すんなり受け入れ勝利につなげた。

 最善を尽くした。右肩付近は「打撲」で、試合直後は10センチ四方の巨大湿布を貼っていた。その後は痛みを抱えながらも平然と出場を続けた。しかし、その裏では飲み薬やクリームなど、さまざまな治療を施した。万全な状態ではなかったが、最大限の準備で快投。この日の試合後のクラブハウスでは湿布を貼っておらず、すでにあざも消えていた。

 4月15日は初の黒人メジャーリーガーの功績をたたえる「ジャッキー・ロビンソン・デー」。MLBで永久欠番の「42」のユニホームで、ドジャース・ナインはブルックリン時代の「B」の帽子をかぶった。大谷は初登板。4回までの無失点投球で、岩隈(マリナーズ)と自身が持っていた連続自責点0イニングの日本人先発最長記録を「32回2/3」に更新した。

 5回の失点で記録は途切れたが、防御率は驚異の0・50で、ナ・リーグ・トップに躍り出た。「全体的にはリラックスして投げられたので、そこは前回より進歩。6試合に1回なら、6イニング投げるのは最低限」。次戦はロッキーズとの4連戦で、打者としては「48」で継続中の連続試合出塁記録の更新にも期待大。サイ・ヤング賞も狙えるリードオフマンの視界は良好だ。(竹内 夏紀)

【大谷に聞く】

 ―間隔の空いた登板で体調は。

 「今日は投球だけにして、ラッシングが入りましたけど、コロラドの4連戦の前なのでそういう意味で全体的に疲労をためないプランというのはチームとして大事。そこを理解しつつ集中できれば、1年間みんなが健康で頑張れるんじゃないかな」

 ―代役のラッシングについて。

 「みなさんも見られましたけど、(ラッシングは)素晴らしい技術を持っているので彼に任せようと思います」

 ―スプリットの軌道が少し変わった。

 「スプリットでの負担をまず減らしたい。低回転で引っ掛けながら落とすようなスプリットは長いシーズンで見ると負担が大きかったりする。どちらかというとシンカー寄りというか、シフトウェーク(縫い目を使って)で落としていくようなイメージの方が、疲労としては有効かな」

 ―ワンシームに近いのか。

 「グリップ的にはツーシームの延長線上みたいな感じ。由伸もどちらかというとそういう感覚だし、先発でやっていくならそっちの方が効率的」

 〇…大谷に代わり、DHで7番に入ったのが捕手のラッシング。第1打席では二塁打を放ち先制2ランにつなげた。8回には自身初の満塁弾で突き放した。「翔平がどれだけ特別か分かる。でも、もしDHの打席を少し譲ってくれるなら、自分が喜んでやるよって伝えるね」と笑顔。また、大谷に代わり1番に入ったタッカーは2号ソロ。“代役”の2人が、ともに結果を残した。

 ◆メッツ・メンドサ監督(大谷について)「彼は良い投手だ。メジャーリーグでは最高の中の最高と対戦することになる。今日の彼の速球は非常に良く、我々は彼に対して何もできなかった」

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