◆JERAセ・リーグ ヤクルト3―1巨人(19日・神宮)

 もう一踏ん張りが、できなかった。巨人の井上温大投手(24)は、ベンチから出てくる内海投手コーチを視界に捉えると、唇をかんだ。

5回、1死から連打と四球で満塁のピンチを招く。古賀を空振り三振に仕留めて意地は見せたが、そこで交代となった。「先発として、責任投球回の5回を投げきれず降板してしまったことが申し訳ないし悔しいです」。4回2/3を4安打3失点(自責2)で、うつむきがちにマウンドを降りた。今季2敗目を喫し、ヤクルト戦は自身勝ちなしの5連敗となった。

 調子は良かっただけに、悔いの残る1球だった。この日最速150キロを計測した直球、カットボール、カーブなどを駆使して7奪三振。的を絞らせず3回まで無安打に封じた。「投げていてもすごく感覚は良くて、自分の持っている球種を全部操れた」。だが、1点リードの4回、味方失策と不運な内野安打で一、二塁の危機を招くと、1死後にオスナに痛恨の3ランを浴びた。前日から名指しでマークしていた相手主砲。内角高めの138キロカットボールを左翼席中段に運ばれた。

「ああいう展開ですし、本塁打もある打者。もう少し丁寧に、低めに投げきるべきだった」。対戦成績はこれで13打数5安打になった。

 1つのアウトを懸命に目指した。12日の同戦(東京D)では、1点リードの5回2死二、三塁から投手強襲の当たりをグラブではじき、内野安打で追加点を献上。そこから決死の猛練習が始まった。練習では毎回、1人残ってコーチ陣とノック。この日の初回、先頭・長岡の投手強襲の当たりを落ち着いて処理するなど、投ゴロで2つのアウトを重ねた。努力は実った。

 中継ぎ陣は無失点リレー。最後までベンチで応援し続けた。杉内投手チーフコーチも「球の勢いも前回より全然よかった。

きょうの投球をしておけば、僕は勝てると思う」と評価し、次回登板を示唆した。勝利の女神は、貪欲に励む姿をきっと見てくれている。(北村 優衣)

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