◆プロボクシング ▽世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)4団体統一タイトルマッチ12回戦 〇統一王者・井上尚弥(判定)WBA&WBC&WBO同級1位・中谷潤人●(5月2日、東京ドーム)

 後楽園ホールでまいた種は、18年の時を経て東京ドームで満開の花を咲かせた。メインイベントで拳を交えた井上尚弥と中谷潤人は、ともに全国U―15ジュニアボクシング大会から世界へと羽ばたいた。

同大会の創設者こそ、大橋ジムの大橋秀行会長だった。

 「目指せ、後楽園」。この構想が産声を上げたのは08年。当時、小・中学生が競う全国大会は存在しなかった。前年に東日本ボクシング協会会長に就任した大橋会長は、ジュニア世代の強化と底辺拡大のために大会構想の実現に奔走した。同8月、聖地・後楽園ホールで行われた記念すべき第1回大会を制したのが、中学3年の尚弥だった。後を追いかけるように、中学2、3年の中谷が第4、5回大会(11、12年)で連覇を果たした。今回のドーム興行に出場した井上拓真、田中空、佐々木尽、富岡浩介らも、同大会で活躍した元ジュニアボクサーだ。

 大橋会長は「井岡選手は年齢の関係で出ていないが、世界戦2試合の4人中3人がジュニア出身者。『目指せ、後楽園』を超えて、東京ドームを満員にできた。自分の思っていた以上の成果です」と目を細めた。

 25年1月には初代王者の名前を冠した「第1回井上尚弥杯」が開催され、日本だけでなく韓国、中国のジュニア選手も参加。

昨年11月に第2回大会も開催され「ネクストモンスター」候補が躍動した。「今の小中学生にも、ものすごい選手がゴロゴロいる。未来は明るいです」と大橋会長。東京ドームで花開いた大木に、新たな芽吹きが宿っている。(勝田 成紀)

編集部おすすめ