歌舞伎俳優の尾上左近改め3代目尾上辰之助(20)が3日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「團菊祭五月大歌舞伎」(27日千秋楽)に出演した。

 祖父(3代目尾上松緑追贈)が初代、父の松緑(51)が2代目として名乗った「尾上辰之助」を3代目として襲名した。

襲名披露演目「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」では劇中口上で「一層、芸道に精進していく所存でございます。これからもごひいき、ご支援のほど、お願い申し上げます」と決意を述べた。

 口上では師匠の7代目尾上菊五郎(83)、父の松緑、中村萬壽(71)、中村雀右衛門(70)、8代目尾上菊五郎(48)、市川團十郎(48)と自身の計7人がズラリと並んだ。7代目菊五郎からは「初代の辰之助さんとは非常に仲が良くて、よく学び、よく遊んだ、兄弟同然の間柄でございました。その辰之助の名跡が復活すること、とてもうれしく思います」と祝福された。

 團十郎は、辰之助が同世代の市川染五郎(21)、市川團子(22)と「染團辰」として注目されていることを念頭に「年の差はございますが、(市川新之助尾上菊之助と)三之助もよろしくお願いします」と「令和の三之助」に期待を寄せた。さらに出番前、辰之助から「緊張しています」と言われたことを明かし、「とても素直な方でございます」と人柄を紹介した。

 辰之助は時代物の荒事を得意とする音羽屋紀尾井町一門の御曹司。「寿曽我―」では祖父、父も演じた曽我五郎を力強く演じ、喝采を浴びた。荒事の伝統を継承しながら、若衆や女形も演じられる器用さが魅力。先輩俳優からの激励、客席からの声援や拍手を糧に、新たな辰之助像を作り上げる。

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