日本代表MF三笘薫の北中米W杯出場が困難となったことが判明した。左太もも裏の負傷によるもので、大会中の実戦復帰が極めて難しい状況の診断を受けたという。

 世界基準の突破力を持つ左シャドーの大黒柱不在に、どう向き合うべきか。「ピンチはチャンス」となるような“代替案”はないのか。4つの選択肢を日本代表の番記者が検証した。

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【⑴鎌田を1列上げる】

 鎌田のシャドー起用は、W杯予選でも多く見られた形。この緊急事態を受けて、主軸ボランチのポジションを動かすことになるか。

 ただし、鎌田のシャドー起用時は「鎌田&南野」の組み合わせが多く「鎌田&久保」はほとんど試してこなかった。シャドーのどちらかにフィニッシャータイプを置くのが森保流でもある点は留意すべきだ。必然的に増員が必要となるボランチには、事実上の構想外からの逆襲を期す守田英正が入るか。

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【⑵代役アタッカーに期待】

 別のアタッカーに“三笘役”を任せる形。⑴とは異なりチームの大枠を崩す必要はないが、三笘を上回る質を求めるのは酷でもある。

 現実的には中村敬斗をシャドー、前田大然をウィングバックの主軸とし、バックアップとして佐野航大、佐藤龍之介、あるいは負傷からの復帰を目指す鈴木唯人、南野拓実、相馬勇紀らに託す形となる。伊東純也の左起用も「あり」。

先発の頭数はそろえられるが、ゲームチェンジャー役も当然必要であり、人繰りが難しくなる可能性もある。

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【⑶思い切って布陣変更】

 ストライカータイプを2枚並べる【3―4―1―2】への変更が最もスムーズか。CFは上田綺世、小川航基、町野修斗、後藤啓介、塩貝健人の中から果たして何人が選ばれるか…という情勢だったが、2トップが基本布陣となればできるだけ多くを選びたいところ。前田の最前線起用も選択肢となる。元々守備時に2トップの構えになることも多く、移行自体に大きなハードルはない。

 奇策は【4―2―3―1】回帰か。アタッカー陣を1人でも多くピッチに―というところから編み出されたのが現在の基本布陣。南野も三笘もいないとなれば、(W杯まで時間があれば)十分に考えられた変更と言える。左の人材難も、左サイドハーフを中村に任せれば解決する話だ。

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【⑷右肩上がり化】

 これは左ウィングバックにサイドバック型の選手(鈴木淳之介、伊藤洋輝、長友佑都ら)を先発起用するプラン(左シャドーは中村)。右の先発は堂安律or伊東純也となることが想定されるため、必然的に右肩上がりになるだろう。

 今大会は初戦までの準備期間が長く、始動からおよそ3週間ほどの猶予がある。

仕込む時間はある程度あると言えそうだ。鈴木淳の台頭、伊藤の復帰で一時期のサイドバック人材難から脱していることも大きい。

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 カタール大会で何の前触れもなく急造3バックを繰り出し、ドイツとスペインに逆転勝利した森保監督のことなので、どんな選択肢を選んだとしても不思議ではない。災い転じて福となすべく、最善策を探っていきたい。(岡島 智哉)

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