第79回カンヌ国際映画祭で15日(現地時間14日)、最高賞の「パルムドール」を競うコンペティション部門に選出された「ナギダイアリー」(9月25日公開)から主演の松たか子石橋静河、深田晃司監督の3人がフォトコールと記者会見に登場した。

 フォトコールでは、カンヌの晴天に映える爽やかなブルーのアライアのドレスにブシュロンのジュエリーを合わせた装いの松と、Mame Kurogouch(マメ クロゴウチ)のホワイトドレスにCartierのハイジュエリーに身を包んだ石橋、深田晃司監督が登場。

前夜の公式上映では7分間のスタンディングオベーションが送られた3人に歓声が飛び交った。

 彫刻家・寄子役を演じる松は、撮影に立ち会った彫刻家の吉田愛美氏の存在が支えになったそうで、「彫刻家というのは、孤独な作業でもある。でも、吉⽥さんを⾒ていると孤独を謳歌(おうか)している、楽しんでいる様に⾒えた。“孤独かもしれないけど、孤⽴はしていない”。強いものを持った⼥性だと思いながら演じていました」と撮影を振り返った。

 建築家・友梨を演じた石橋は「主⼈公の彫刻のモデルとして座って会話をしていくシーンが多かったんです。⽣⾝の⼈間として“モノ化”して、たたずむというのは結構難しい」と苦労を明かし、「私は松さんのことが⼤好きなので、芝居をしていく時間がとても豊かでした。友梨がする選択、どう⼀歩を踏み出すのかを⼤切にして演じました」と充実した時間を振り返った。

 深田監督は今作の題材について「芸術を扱っているが、それは『過程を描いている』ということ。表現することは『私はこの様に世界を⾒ている』ということを可視化することだと思っている。(主演の松が)彫刻を作ることで、表現の側⾯を描こうと思った」と語った。

 今作は第39回岸田國士戯曲賞を受賞した平田オリザ氏の代表作「東京ノート」に着想を得て、深田監督自らオリジナル脚本を執筆。

企画の立ち上げから9年の歳月を経て完成させた意欲作で、「ナギ(岡山県奈義町がモデル)」を舞台に喪失を抱えながら生きる人々を描く人間ドラマとなっている。今年のコンペティション部門には、同作の他に「箱の中の羊」(是枝裕和監督)と「急に具合が悪くなる」(濱口竜介監督)も選出されており、授賞式は23日に行われる。

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