◆第93回日本ダービー・G1(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル)

 無傷4連勝での栄冠へ、期待は膨らむばかりだ。コンジェスタス(牡3歳、栗東・高野友和厩舎、父コントレイル)を出走させる高野調教師は、G1・12勝のうち8勝が牝馬。

現役最多の数字だ。牡馬で挙げた4勝はすべてジャンタルマンタル。厩舎の看板ホースに続く、将来性あふれる牡馬で挑む日本競馬の祭典を前に「今回はチャンスがあるんじゃないかな。モチベーションがあふれる状況ですね」と気持ちを昂(たか)ぶらせている。

 管理馬をダービーに送り出すのは今回が4度目。「朝から雰囲気が違いますね。有馬とはまた違う、本当に独特の。競馬場のファンも含めて、緊張感を感じます」。当日の張り詰めたような会場の空気感は、ダービーでしか味わえないもの。トレーナーにとっても、心躍る特別なレースだ。

 前走の京都新聞杯を、2分9秒9のレースレコードで快勝。賞金を加算し、本番への出走を決めた。

末脚の持続力、豊富なスタミナなど底を見せない素質でいまだ負けなし。しかし、指揮官はこの馬の一番の強みをこう分析する。「競馬場、ゲート裏、レース中においても、すべてを冷静にこなしていることですね。なかなかそれを出来る馬は少ないし、口取りの写真撮影でもどっしりしている。たいしたもんです」。並大抵のことでは動じない強い精神力が、この一戦において大きな武器となる。

 2つの大記録に挑む。1984年のグレード制導入後、史上7頭目の無敗Vのみならず、祖父ディープインパクト、父コントレイルに続く父子3代制覇という前人未到の偉業。「もちろん楽しみです。なかなかこんな機会はない。ただ参加するだけではなく、当然勝利する。そういう目的を持って管理ができているなと感じます」。

“牝馬の高野厩舎”から、イメージを塗り替えるダービー馬が誕生の予感だ。(山本 理貴)

 ◆無敗のダービー馬 1934年のフレーモアから2020年のコントレイルまで、これまで11頭。グレード制を導入した84年以降では、20頭が無敗でダービーに挑戦して達成したのは6頭。6頭のうち84年シンボリルドルフ、91年トウカイテイオー、92年ミホノブルボン、05年ディープインパクト、20年コントレイルは皐月賞馬だった。京都新聞杯(5月実施になった00年以降)Vからのダービー制覇は00年アグネスフライト、13年キズナの2頭だけで、同G2から無敗でダービー制覇なら初めてのこととなる。

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