◆第93回日本ダービー・G1(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル)

 帰ってきた。福永調教師が騎手として23度も参戦し、3勝を挙げた競馬の祭典に初めて愛馬のアスクエジンバラ(牡3歳、栗東・福永祐一厩舎、父リオンディーズ)を送り出す。

「騎手の時と違いがあるかなと思ったけど、あまりない」と笑う。常に注目を集め、今年で開業3年目。「評価されるのが人より早い。3年目は一定の数字を残さないといけない」とスタッフに告げていた“勝負の年”に大きな一歩を刻む。

 手綱を託すのは騎手時代、ともに一時代を築いた岩田康誠騎手。主戦はレース2週前に右鎖骨骨折のアクシデントに見舞われたが、気持ちは全く揺らがなかった。「止めたって、止まらない人。手応えを持ちながらやってくれていたし、待つしかない」

 昨秋にエジンバラの調整を全権委任した。自らも北橋厩舎時代にはエイシンプレストンやスターリングローズなど素質馬の調教の若駒時代をほぼ担当。日々の調教から教えるのが大切なことは知っている。「デビュー前から乗るのが一番いいけど、競馬を走る中でも変えられるのが技術の高さ」と主戦への信頼は厚い。

 緊張の中で逃げたキングヘイローの1998年(14着)が初参戦。

19度目の挑戦だった18年のワグネリアンでついに勝った。「ダービーを勝った経験の中で得られるものが多かったから、それ以降のG1は(見方が)全部違った」。様々な景色があふれ出る競馬の祭典。盟友との絆で新たな記憶を刻む。(山本 武志)

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