◆プロボクシング ▽ヘビー級育成王座決定戦4回戦 〇大沼ケン(3回TKO)高山秀峰●(29日、東京・後楽園ホール)

 日本プロボクシング協会(JPBA)が新設したヘビー級育成王座の決定戦で、ヘビー級育成3位の大沼ケン(21)=角海老宝石=が同級1位・高山秀峰(33)=スパイダー根本=を3回2分40秒TKOで下し、初代王者に輝いた。

 戦績は大沼が3勝(2KO)1敗1分け、高山が4勝(3KO)3敗1分け。

 192センチの大沼は、左右フックを強振する高山に対し、ワンツーで応戦。ヘビー級らしからぬ軽やかなステップから、打ち下ろしの右をかぶせ、左右ボディーをヒットさせると、最後はコーナーに詰めて一方的に打ちまくり試合を決めた。「ちょっと雑になっちゃった。判定勝ちを狙っていたが、結果的にTKOになって良かったです」と試合を振り返った大沼は、真新しいベルトに目をやり「めっちゃ嬉しいです」と笑顔を見せた。

 名門・帝京高サッカー部出身で、現在は工学院大の3年生。帝京高サッカー部では長身FWとして活躍を期待されたが、右膝の前十字靱帯(じんたい)断裂など故障が重なりほぼ試合には出場できなかった。大学1年の冬に友人に誘われてボクシングを始め、昨年5月のヘビー級1000万円トーナメント1回戦でプロデビュー。しかし、同年12月の決勝戦でマハンハイリー・ヌールタイ(中国)に1―2の判定で敗れ初黒星。今回が再起戦だった。

 これまではジムOBで日本人初のヘビー級世界ランカーとなった藤本京太郎トレーナーの指導を受けていたが、現在は田部井要トレーナーとコンビを組む。「いままでのボクシングスタイルをもうちょっと良くしていこうと田部井さんと取り組んできた。前までは(パンチを)当てられないことばかり意識していたが、今は自分で当てて避けて、当てて避けて、というスタイルを目指している」と話した“和製モハメド・アリ”は、「(アリのような)ああいうスタイルっていうのはこれからも目指していくところ。

そこに自分の要素を作っていく感じです」と「蝶のように舞い、蜂のように刺す」スタイルに磨きをかけていくつもりだ。

 対戦相手のベテラン、高山も「大沼君の体重が110キロぐらいに増えたら、世界ランカーを狙えるボクサーになると思う。(日本の)重量級を背負っていける選手だと思う」と大沼のポテンシャルを評価した。

 4月29日に行われた同王座への挑戦者決定戦で、同級2位・松田尚之(ARITOMI)が同級5位・星龍之介(大橋)に4回TKO勝ちし、王座への挑戦権を獲得している。大沼は「これからもっと精進していきたい。防衛戦にきちんと勝って、次のステップに上がれるように頑張りたい」とさらなる成長を誓った。

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