◆第93回日本ダービー・G1(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル、良)

 第93回日本ダービー・G1は31日、東京競馬場で行われ、1番人気のロブチェンがゴール前での競り合いを制して史上25頭目の皐月賞との2冠を達成した。23年に生産された7944頭のサラブレッドの頂点に立ち、松山弘平騎手(36)=栗東・フリー=は、11度目の挑戦でダービージョッキーの称号を手にした。

また、杉山晴紀調教師(44)=栗東=も初制覇となった。

皐月から一変中団からでも 高い、高い山の頂点に立った。直線で外に持ち出されたロブチェンは、松山が祈りを込めて振り下ろす右ステッキを受け、懸命に最後の力を振り絞った。絶え間ない鼓舞に応えるように、脚をいっぱいに伸ばして加速。ゴール寸前でパントルナイーフを頭差とらえ、8万4731人の大観衆の前で第93代のダービー馬に堂々と輝いた。「着差はわずかでしたけど、勝ち取ってくれて、本当にロブチェンの強さだと思います」と鞍上。23年に生産されたサラブレッド7944頭のナンバーワンだ。検量室前では両手を挙げて「ありがとうございます!」と、とびきりの笑顔。デビュー18年目で待望のダービージョッキーの称号をつかんだ。

 インタビューに臨んだ松山の目は潤んでいた。「まさか松山弘平がダービージョッキーになるなんて、本当に信じられない気持ちです。帰ってくる時、自然と涙がこみ上げてきて」。

自らをうれしさで涙を流すことがあまりないと分析する。かつて感涙したのは、20年に牝馬3冠を達成したデアリングタクトの秋華賞。「それ以上に興奮したなと思いました。これがダービーなのかなって。自分の中でも違った気持ちでしたね」。ホースマン皆が憧れる夢舞台。11度目の挑戦で大レースを制した達成感が身を包み、目頭を熱くした。

 逃げ切った皐月賞とはうって変わって、レースは中団から。思い描いていた位置取りとは違っても、決して慌てなかった。「ちぐはぐな競馬になった」と振り返る共同通信杯(3着)の唯一の敗戦を糧にし、リズムを崩さないことを第一に運んだ。向こう正面でバステールがまくってきたが、「少しペースが上がった気がしたので、このリズムなら問題ないなと思いました」。2冠がかかり、重くのしかかる重圧のなか冷静な判断が光った。

 デアリングと同じ杉山晴調教師とのコンビ。同一馬でクラシック3冠、牝馬3冠を達成となれば騎手、調教師ともに史上初の快挙だ。「やはりこれだけ大舞台で(ともに勝つ)ということになると、不思議ですね」とトレーナーは感慨深げ。菊花賞・G1(10月25日、京都)の出走について明言を避けたが、オーナーサイドはクラシック最終戦へ前向きだ。「これで終わりじゃないので、次に向けて一緒にしっかり頑張っていきたいなと思います」と松山。視界の先には、3冠がはっきりと映っている。(山本 理貴)

 ◆ロブチェン 父ワールドプレミア、母ソングライティング(父ジャイアンツコーズウェイ)。栗東・杉山晴紀厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算5戦4勝。総獲得賞金は6億4032万円。主な勝ち鞍は25年ホープフルS、26年皐月賞(ともにG1)。

馬主はフォレストレーシング。

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