歌舞伎俳優の15代目片岡仁左衛門が6日、東京・ポレポレ東中野でトークイベントを行った。

 現在、同劇場ではドキュメンタリー映画「歌舞伎役者 十三代目 片岡仁左衛門」(1992年、羽田澄子監督)をリバイバル上映中。

名優として知られた父、13代目仁左衛門の昭和後期から平成初期、84歳から90歳までに迫ったもの。13代目の三十三回忌と羽田監督の生誕100年を記念し、17年ぶりに国内映画館で全6巻上映され、連日盛況だ。7月17日に全6巻のアンコール上映も決まった。

 15代目仁左衛門は「父はとにかく頭の中が地球より大きかった。30年以上やっていないお役のことを聞いても、スラスラと出てくる。すごい頭で記憶は熟成されていた」という。

 このドキュメンタリー映画が東京・岩波ホールで初上映(92年)された際、15代目は「猛反対したんですよ」と話す。「全6巻もある長い時間の映画にお客さんが来てくださるわけがない」と伝えたそう。そして、「そちらは赤字でもお金でまた取り戻すことができるでしょうが、入らなかった時に受けた役者のショックやキズは永遠に響きますから、と。それが大入りでしょ。父には人知では計り知れないところがあります。息子が言うのは変かもしれないが、とにかくすばらしい人でした」

 意外な素顔として、13代目が怪談好きだった一面も紹介された。

「夏の休みの時とか、近所の人を集めてね。氷配って、ろうそく立てて(怪談を話して)ね」と懐かしい話を昨日のことのように振り返っていた。

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