◆関西六大学野球秋季リーグ戦 ▽第3節2回戦 大商大3―0京産大(9月23日・わかさスタジアム京都)

 今秋のドラフト候補でもある大商大の春山陽登(4年)=敦賀気比=が今季2号となる通算12本塁打を放ち、元横浜、中日の佐伯貴弘さん(大商大)が1992年にマークしたリーグ本塁打記録に34年ぶりに並んだ。春秋連覇を目指すチームは4連勝で勝ち点2で首位に立った。

   ※   ※   ※

 2点リードの7回2死、フルスイングした打球は放物線を描き左翼席に吸い込まれた。走りながら着弾点を見届けた春山はバットを真上に放り投げ、何度も拳を握りながらダイヤモンドを1周。「感情を爆発させちゃいました。すみません」と苦笑いも「打った瞬間でしたね。今までのホームランで一番うれしかったですね」と笑った。

 大学入学当初はウェートトレーニングで筋力アップを目指していたが、2年夏に体幹トレーニングに出合ったことが転機となった。長打力が磨かれ、同年秋にリーグ記録の1試合3発を含む4本塁打。3年春までに6本塁打をマークし、佐伯さんのリーグ記録を意識したという。34年ぶりに並び「知らない間にプレッシャーになっていたので解き放たれました」と喜びを爆発させた。

 今夏は大学日本代表にも選出された。同じドラフト候補の明大・榊原七斗(4年)=報徳学園=と合宿、大会を通じて同部屋となり、寝る前にストレッチをしている姿を見て、自らも取り入れるなど貪欲な姿勢もある。

 狙って打ったアーチは1本もないという。

この日のメモリアルアーチは、スライダー2球で追い込まれた後のカーブを仕留めた。「3回に見逃し三振したのと同じボールです」と、この日最速154キロをマークした右腕・井黒にきっちり仕返し。この日はNPB8球団のスカウトが集結。DeNA・藤田スカウトは「大事な場面で打てる集中力がすごい。長打力は魅力だし、追いかけて行きたいです」と絶賛した。

 ホームランを打ってベンチに戻ると富山陽一監督がが握手で出迎えてくれた。「握手なんて初めてです。世界一怖いですけれど、世界一優しいです」と感謝した。今までの記念球は後輩などにあげてきていた。今回の記念球は、母・真美さん(45)にプレゼントする。「節目なので。監督さんが『おかんに渡せ!』と手渡してくれました」。

母子家庭で育ててくれた最愛の母に贈るという。

 心優しき規格外のスラッガー。春山は新記録に向け「行けるところまで行きたい」とアーチ量産を誓った。

 ◆春山 陽登(はるやま・あきと)2004年12月10日、奈良・大和高田市生まれ。21歳。高田小1年から高田イーグルスで軟式野球を始め、6年時にタイガースジュニアに選出。高田中では硬式の五條リトルシニアでプレー。敦賀気比(福井)では主将を務めた2年秋の明治神宮大会と3年春夏の甲子園に出場。高校通算17本塁打。大商大では1年秋からリーグ戦に出場。2、3年秋、4年春にベストナイン。50メートル走6秒2。

178センチ、90キロ。右投右打。

編集部おすすめ