ブリーダーズカップ(BC)クラシック(日本時間11月1日、米国キーンランド競馬場・ダート2000メートル)で、連覇を目指すフォーエバーヤング(牡5歳、父リアルスティール)を管理する矢作芳人調教師が、大一番を前にスポーツ報知のインタビューに応じた。(取材・山本武志※取材日=10月15日)

 ―始動戦のジョッキークラブGCは完勝だった。

 「まず大事なのは伝統あるレースを勝ったということ。やっぱり考えてみると、(状態が)9割ぐらいに感じたけど、7~8割だったかなと。それとどこまで本気で走っているのかなという感じがした。どっちかといえば、左手前が得意な馬だけど、わざわざ右手前を出さなくてもいいわ、これで勝つでしょうと判断したように見えたよね」

 ―米国のダートG1で圧倒的な支持だった。

 「みんな(感覚が)麻痺してるんだよ(笑)。勝って喜んではくれるけど、『勝って当然だよね』みたいに言われる。その時点で、今までの次元を一つ超えていると思う」

 ―この馬以外の日本馬の海外遠征は少し苦戦が続いている。

 「かなり厳しい状況だよな。まぁ、そんなに簡単に勝てるもんじゃないからね。それだけ、ちょっと次元が違うってことだと思うよ、フォーエバーヤングだけ」

 ―レース後は場内には「フォーエバーヤング」という曲が流れていた。 「あれは知らなかった。感動したよ。

フォーエバーヤングって歌詞が出てくるから、一発で分かったし、聞いたこともあったからね。それだけ、リスペクトしてくれているんだなと思います」

 ―3年連続のBCクラシック挑戦になる。

 「今は日本でも色々と評価は上がってきているよね、ダート競馬も。でも、まだまだかなという感じがする。アメリカは野球でもワールドシリーズとつけるような国だけど、ブリーダーズCは(正式名称が)ブリーダーズCワールドチャンピオンシップだからね。やっぱり、そこを取りたいなと思うね」

 ―前走から中5週と間隔があき、その調整が大事だと言ってきた。

 「まず一つは(ベルモントパークからキーンランドへ)飛行機に乗せて移動することで、あの馬は飛行機に乗るとレースが近いということを感じる。そのルーチンになっちゃっている。ドバイは(直前に)2回ともそれができなかったけど、今回はそれができる」

 ―ベルモントパークでの調整はどうだった?

 「例えば栗東であればCWに行ったり、坂路に行ったり、Eコースを使ったり色々している。向こうは坂路がないけど、メイントラック、調教トラック、メインの内側のタペタトラック、もっと小回りのポニートラックと言われる4か所があって、毎日色々なパターンで乗っています。例えば、ポニートラックでウォーミングアップしてメインに行くとか、今日はタペタだけにするとか。色々と馬が飽きないようにやっています。

ドバイでは厩舎前の本当に小さな角馬場以外は、メイントラックに行くしかなかったから。今は青写真通りに来ているので、とにかくそのままレースまで行ってほしいですね」

 ―どんなレースになりそう?

 「結構、逃げ馬がそろいそうなんでね。ドバイ(ワールドカップ)のマグニチュードみたいな簡単なレースにはならないと思う。とにかく、ソヴリンティとやってみたいね。(自信は)もちろん、あります」

 ―ジョッキークラブGCの時も、管理するモット調教師と話していた。

 「もともと、よく喋る仲です。今までの日本の馬では考えられなかったということで、リスペクトしてもらっているのはすごく分かります。レース後、帰国する時に『おめでとう』と言われて、とにかくソヴリンティの無事の復帰(注1)を願っていると言って帰ってきました。恐らくソヴリンティも今年いっぱいで引退だろうから、(対戦は)ここしかない。去年も最後にシエラレオーネとフィアースネスにリベンジできた(注2)ので、今回は初対決になるけど、最後に戦って、勝って終わりたい」

 ―レース史上2頭目の連覇(注3)もかかっている。

 「厳しい戦いは覚悟しています。ただ、今のままの状態でいけば、それを打破してくれるんじゃないかと思っています」

(後編に続く)

 

 ※注1 ソヴリンティは昨年の米国年度代表馬。

昨年のBCクラシックで対戦予定だったが発熱で回避となり、ジョッキークラブGCも出走予定だったが左後肢の負傷を発症。再び対戦は幻となった。

 ※注2 2024年のBCクラシックで1着シエラレオーネ、2着フィアースネスの3着に敗れたが、2025年はこの2頭に先着する形での優勝。2頭ともに、このレースがラストランとなった。

 ※注3 過去に連覇したのは2000年と20001年のティズナウだけ。

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