◆第174回天皇賞・秋・G1(11月1日、東京競馬場・芝2000メートル)

 第174回天皇賞・秋・G1(11月1日、東京競馬場・芝2000メートル)で、古川吉洋騎手(49)=栗東・フリー=が、札幌記念を勝ったシェイクユアハートで挑む。勝てばG1最長ブランクでの勝利となる一戦。

コンビを組み26戦目の相棒と大一番へ挑むベテラン騎手が「聞き馬した」で胸の内を明かした。

 相棒と挑む大舞台に、闘志を燃やしている。デビュー31年目の古川吉は32度目のG1挑戦。シェイクユアハートと臨む秋の盾へ「チャンスがある馬に乗せてもらえている。やることをやるだけです」と言い切った。

 “二人三脚”で歩んできた。23年8月、富良野特別(1勝クラス)で初コンビ。6着に終わったが、次戦から2連勝を決めた。だが、そこから3勝クラスをなかなか勝てない時期が続いた。「どうしようって感じでしたね。仕掛けを早めたり、遅くしたり。いろいろ試していましたね」。

クラス突破に要したレース数は、実に15。試行錯誤を繰り返した末に、25年6月の垂水Sで勝利。「やっと勝てたかと。長かったな」と感慨に浸った。

 そして、昨秋から本格化する。12月の中日新聞杯で重賞を初制覇。今年3月には、好メンバーの金鯱賞も勝利した。「決め手が上がって、ひと脚の(使える)距離が延びた感じがした」。このレースで成長を実感。その手応え通り、8月の札幌記念では、後続に2馬身半差をつけるコースレコードVを決めた。同月には第1子となる男の子が誕生。「かわいいよね。

けがしちゃダメだなと思う」。プライベートも充実して、秋を迎えた。

 競馬学校「花の12期生」と呼ばれた世代の1人。福永祐一、和田竜二、高橋亮らが若くから活躍した。月日は流れ、その同期が調教師に転身するなど騎手を引退。栗東所属での現役騎手は、自身のみとなった。今年の4月には京都競馬場で行われた和田竜の引退式に参加し、花束を手渡した。「本当にごくろうさまという気持ち。調教師になったわけだからね、単純にすごい」と敬意を表す。ただ、自身は「ある程度結果も必要だけど、乗れるだけ乗りたいよね」と意欲たっぷりだ。

 ここを勝てば、97年の阪神3歳牝馬S(現在の阪神JF)のアインブライド以来のG1勝利となる。ブランクは実に28年11か月1日。

G1勝利間隔の最長記録を大幅に更新することになる。前回ビッグタイトルを手にした宮調教師の管理馬で臨むが、「ここまで30年やってきたら、(関係も)変わらないよ」とあくまで自然体。心の底で通じ合う“絆の力”で久々の美酒に酔う。(木戸 裕也)

 ◆騎手のG1勝利の間隔 1984年のグレード制導入後、これまで最長は和田竜二の17年1か月25日(テイエムオペラオーの01年4月29日・天皇賞・春→ミッキーロケットの18年6月24日・宝塚記念)。田中勝春(14年10か月28日)、藤岡康太(14年6か月8日)と続く。

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