J-オイルミルズは14日、都内で26年3月期(25年度)の通期決算説明会を開催した(決算は一部既報)。
春山裕一郎社長(写真)は27年3月期(26年度)の2つの重点施策として、「価値とコスト構造を踏まえた販売価格の早期実現」と「DXの推進による業務改革」を掲げた。
25年度の連結売上高は1.8%減の2,266億円、営業利益は48.6%減の44億円と減収減益で着地した。コスト上昇の常態化に対し、価格改定が想定している水準まで届かなかったこともあり、営業利益は修正予想の50億円に対しても未達となった。
油脂事業の営業利益は前年度から48.7億円の減益となった。増減分析を見ると、原料コストや販売価格・重量の増益要因はあったものの、ミール販売で95.8億円の減益要因となったことが大きく響いた。
〈DX推進による業務改革、経験依存の業務プロセスをデータに基づく意思決定や判断に〉
27年3月期(26年度)の連結売上高は7.2%増の2,430億円、営業利益は24.9%増の55億円の増収増益を予想する。事業環境について春山社長は「世界的な油脂需要の拡大や円安、各種コスト高を背景に、原材料価格は引き続き上昇基調にある。合わせて、原油価格の高止まりを受け、バイオ燃料向けの需要が拡大する中で、オイルバリューの上昇、ミールバリューの低位推移という構造変化が継続している」との認識を示した。国内では物流費、包装資材費の高騰、エネルギーコストの高止まりに加え、人件費なども継続的に上昇していることに触れた。
2点の重点施策のうち、「価値とコスト構造を踏まえた販売価格の早期実現」について、「25年度は価格改定に取り組んできたものの、結果としてコスト上昇を十分に吸収する水準には至らなかった。
2つ目の重点施策の「DX推進による業務改革」については、「これまで経験に依存してきた業務プロセスを、客観的なデータに基づく意思決定や判断に転換していくことを大きなテーマとしている。具体的な例として、営業・マーケティングでは価格改定のシミュレーション機能の整備、マーケティング施策のROI、投資採算性を把握する仕組みを徹底的に活用し、目的や狙いに応じた施策を選択できる環境を整えていく」と展望を語った。
また、コスト高が常態化する事業環境でより重要になる高付加価値品の強化、拡大について説明した。家庭用については、おいしさや品質といった価値が評価されているオリーブ油のラインアップ拡充に加え、アマニ油、えごま油、MCTといったサプリメントオイルのカテゴリーの拡販に引き続き注力していくとした。
業務用については、ユーザーにおける品質の安定、作業効率の向上といった価値を提供できる「長徳」などの商品を軸に、課題解決につながる提案活動を一層強化していく考えだ。「おいしさデザイン」によるソリューション提案の拡大などを図っていく。
なお、今後の中東情勢の影響について、「包装資材費や物流費なども上昇してくる可能性があると見ており、注視していく必要がある。企業努力で吸収しきれないものについては、価格改定も含めて考えていく必要があると考えている」と述べた。
供給面について、「現時点では特に問題はない」とする。同社は包装資材なども味の素グループとして調達しており、グループ各社と連携しながら状況を確認しているという。「現時点で当社の生産を止めるような要因は発生しておらず、包装資材についても特段の変更をする計画は今のところない」と述べた。
〈大豆油糧日報 2026年5月18日付〉









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