リクルートのSUUMOリサーチセンターが「『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)」を公表した。この調査では、住宅の買い時感や住宅検討状況などを聞いている。

調査結果で、買い時感が高い背景にはなにがあるのだろう?詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)」公表/リクルート

50%の住宅購入・建築検討者が「買い時だと思っていた」!2020年以降で最高値に

調査は、2025年12月19日~2026年1月7日に、首都圏、東海圏、関西圏の三大都市圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳~69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

まず、住宅購入や建築を検討した人に、「買い時だと思っていたか」を聞いた結果、「買い時だと思っていた」と回答した割合(とても+ややの合計)は50%に達し、2020年以降で最も高くなった。なかでも、20代や30代といった若い世代で、買い時感が高い傾向が見られた。

住宅の「買い時感」が50%と2020年以降過去最高に!「値上がる前に買いたい」「永住より売却・賃貸も視野に」などマインド変化も

出典:リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)

買い時だと思った理由を見ると、「これからは住宅価格が上昇しそう」が最も高く、50%に達した。住宅価格の上昇が続いているが、さらに上昇すると考えている人が、上がる前に買ってしまいたいと考えていることがうかがえる。

住宅価格の上昇の要因としては、土地の値段や建築費の上昇などのコストアップによるものもあるが、2025年4月から省エネ基準の適合が義務づけられ、今後も基準が引き上げられる予定であることなど、品質向上によるものもある。いずれにせよ、コストアップは今後も続くとみられているので、住宅価格はまだ上がると考えている人が多いということだろう。

また、2019年以降で最も高くなったのは「これからは、住宅価格が上昇しそう」と「これからは、安定した収入が見込めそう」(21%)で、逆に最も低くなったのは「いまは、住宅ローン金利が安い」(26%)と「いまは、住宅ローン減税が有利」(11%)だった。

最近は、人手不足による人材確保のためだけでなく、物価高に伴う生活支援の側面からも、賃金アップが進んでいる。なかでも30代が「これからは、安定した収入が見込めそう」(27%)を他の年代よりも多く挙げており、社会環境の変化が調査結果にも表れているようだ。

住宅の「買い時感」が50%と2020年以降過去最高に!「値上がる前に買いたい」「永住より売却・賃貸も視野に」などマインド変化も

出典:リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)

買い替えや買い増しなどの「二次取得」が増加傾向に

次に、調査対象者に「住宅の取得経験」を聞いた結果を見ると、「初めての購入、建築」=一次取得の割合は62%だったが、推移を見ると減少傾向にある。これに対して、「買い替え」「買い増し」を合わせた二次取得の割合は38%で、2019年以降で最も高くなった。

住宅価格の高騰で、一次取得者にとって買いづらい環境という背景もあるだろう。

一方で、住宅価格上昇によって、購入したときよりも高く売却でき、売却益を活用してステップアップの買い替えをしようという人もいるだろう。また、資金力のあるパワーカップルなどが、二拠点居住などを想定したり投資を考えたりして、住宅を買い増しするケースも考えられる。

二次取得の割合は年齢が高いほうが多くなるものの、20代・30代でも4人に1人は二次取得という点に注目したい。また、世帯年収別では、世帯年収が高いほうが二次取得の割合が多い傾向にある。なお、世帯年収200万円未満の中には、資産はあるが収入は年金のみという高齢者も含まれるため、二次取得が一定数いるのだろう。

住宅の「買い時感」が50%と2020年以降過去最高に!「値上がる前に買いたい」「永住より売却・賃貸も視野に」などマインド変化も

出典:リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)

購入後は永住意向が減少、将来的な売却・賃貸意向が増加の傾向が続く

近年は、購入した住まいに「永住する」人が減少し、「いずれは売却か賃貸か」を考える人が増える傾向にある。調査結果を見ても、その傾向が継続してみられる。特に、「将来的に売却を検討している」割合は33%になり、2021年以降で最も高い水準となった。

“家族構成や働き方、暮らし方などに応じて、広さや場所を変えていく”という柔軟な考え方が、若い世代を中心に広がっているからだろう。

住宅の「買い時感」が50%と2020年以降過去最高に!「値上がる前に買いたい」「永住より売却・賃貸も視野に」などマインド変化も

出典:リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)

「いずれは売却か賃貸か」を考えている人を対象に、「購入検討物件を売却・賃貸に出すタイミング」を尋ねると、「土地や不動産の価格が上がったら」(32%)、「金利が上がったら」(27%)が上位に挙がった。

筆者が調査結果を見て気になったのは、土地や不動産の価格が上がっていくとは限らないということだ。不動産価格が急激に下落した時代を経験していない若い世代には、住宅には資産価値があり、高値で売れるものと思っている人が多いのかもしれない。

しかし、金融危機や地政学リスクなどで、住宅市場の状況も変わってしまうことがあり得る。

いずれ売って住み替えると考えるなら、「自宅として使った後に利益が出るもの」と安易に考えず、売れる(または貸せる)物件か、価格を維持しやすい物件かを見極められるだけの目を養うことが大切だろう。

●関連サイト
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2025年)」

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