大敗後の“パニックバイ”で加入したメルテザッカー(左)とアルテタ Photo/Getty Images
史上もっとも影響力を持ったパニックバイ!?
22年ぶりのプレミアリーグ優勝を決めたアーセナル。マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督が退任濃厚といわれるなか、いよいよ来季からアーセナルの時代がやってくることになるかもしれない。
黄金期を作り上げようとしているミケル・アルテタ監督。しかし、アルテタが指揮官としてやってきた頃はアーセナルは混乱のさなかにあり、アルテタ・アーセナルは2季連続の8位という苦杯を舐めることになる。ここからよくぞ立て直したものだと感じるが、かつてアルテタが選手としてアーセナルにやってきた時も、同じくチームは最悪と言っていい状態だった。
2011年8月28日は、ファンにとっては記憶から消したい、忌まわしい日となっているだろう。プレミアリーグ第3節のマンチェスター・ユナイテッド戦。右SBのバカリ・サニャは急病で、先発はアルマン・トラオレ。中盤には初先発のフランシス・コクラン。若手やリザーブばかりのスタメンは、見るだに“ヤバイ”状況ではあったが、試合内容はやはり惨憺たるものだった。ウェイン・ルーニーにハットトリックを許したほか、アシュリー・ヤングやパク・チソンらに次々とネットを揺らされ、結果は2-8。115年ぶりの8失点という歴史的大敗を喫している。
セスク・ファブレガスやサミル・ナスリなど、前シーズンの中心選手の何人かはすでに退団してしまっていた。この大敗を受け、クラブとアーセン・ヴェンゲル監督は多額の資金を投入し、選手獲得に奔走することになる。
パニックバイと批判されたが、後にアルテタが指揮官としてプレミアリーグ優勝を成し遂げることになるとは誰が予想しただろうか。英『caughtoffside』は、「それはサッカー界における大きな転換点の一つだったのかもしれない」と振り返り、アルテタを「史上もっとも影響力のあるパニックバイ選手」であると評した。
あの大敗がなければ、アルテタはアーセナルとのつながりを持たず、今季の優勝はなかったかもしれない。数奇な運命と言っていいだろうか。少なくとも、ファンはあの敗戦の記憶も少しは受け止められるようになっているに違いない。

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