近年、日経平均株価は上昇しており、新NISAで投資を始めた方も満足のいく運用結果を得ているのではないでしょうか。好調な相場だからこそ悩むのが「今のうちに売って利益を確定すべきか」という誘惑です。
個人投資家を悩ませる「売り時」
近年、日経平均株価の上昇が続いています。2023年末の日経平均株価終値は3万3,464円でしたが、そこから2026年2月末には5万8,000円台まで上昇しました。
3月は一時5万0,558円まで下落する場面もありましたが、4月17日時点では5万8,475円まで回復しています。
仮に2024年と2025年の2年間に積立投資をしていたら(投資対象は全世界株式)、年率換算利回りは約26%です。つまり、新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で初めての投資をした人のほとんどが、満足のいく運用結果ということになります。
さて、ここで個人投資家を悩ませるのは「こんだけ上がっちゃったし、売っちゃってもいいですよね?」という誘惑です。
利益確定の誘惑をどう考えるか。あえて「売る」状況を考えてみよう
投資で利益が出ている資金を売ること自体に問題があるわけではありません。少なくとも、含み益を抱えた値下がり状況で手放す、損失確定をするよりはマシです。
ただし、その利益をどうするかによって変わってきます。次の二つの選択肢だと話はずいぶん違います。
選択肢A:実際に明確な資金使途がある(まもなく資金使途が生じる)ため、利益確定しておきたい
選択肢B:重要な資金使途はないけれど、利益が出たからとりあえずもうかったお金をあぶく銭と見なして散財したい
当然ですが、選択肢Bの「とりあえずもうかったので、ぱーっと使いたい」のような売却なら、それはやめておいた方がいいでしょう。
資金使途がはっきりしており、望外の値上がりが十分得られたと感じているなら、これは売っても差し支えありません。今後1~2割急落する可能性を想定し、現金を確保するというわけです。例えば来年春、子の受験費用のためにどこかで売りタイミングを見計らうようなら、これは売ってもいいでしょう。
少し考慮を要するのは、
選択肢C:値上がりしたので利益確定をするが、再投資をする資金源とする
という場合でしょう。
この場合、無用な短期売買を繰り返すことにならないかは考慮する必要があります。近年は売買コストが下がっているので(現物株であれば売買手数料無料の証券会社が増えていますし、投資信託でも購入時、売却時に信託財産留保額を設定しない投資信託が多い)、手数料がかさむ問題は小さくなっています。
むしろ懸念するべきは、以下の選択肢かもしれません。
選択肢C’:再投資をするつもりで利益確定をしたものの、そのまま再投資機会を逃して現金をプールする状態になってしまった
もし売却後にさらなる値上がりが生じた場合、後悔をすることになります。ただ、利益を確定した、と判断し後悔しない人は問題ありません。
次に、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とNISAの制度上の問題を検討してみましょう。
iDeCoの場合:売っても運用を他商品で継続する
iDeCoの場合、利益確定で売ることについて制度上の大きな注意点があります。売却することはできても、そのお金を現金で受け取ることはできないということです。
投資信託などを定期預金にスイッチングするのは一般的な利益確定ですが、そこから60歳までのあいだは、元本割れしないものの物価上昇率に負ける運用資産となってしまいます。受け取り時期が近づいているなら、悪くない選択肢ですが、まだ30~40歳代であれば物価上昇率にも負ける運用法となってしまいます。
投資信託を、他の投資信託に変更するような売却は、即座に再投資をするような「売り」です。この場合は、売却前の投資信託についてどのような不満が生じており、スイッチングをするのか明確にしておきましょう。
「オール・カントリー系に一本槍ではなく、資産の25%くらいは国内株に振り向けたいので、一部の投資信託を日本株インデックスファンドに振り替える」のように、投資行動を自分に説明できるような売買としたいものです。
もちろん、iDeCo内の売買における運用収益には課税されません。資産価値の上昇は全て自分の資産に持ち越されます。
NISAの場合:売ることは非課税投資期間の終了
NISAのほうはどうでしょうか。こちらは運用収益非課税がメリットとよく強調されますが、売却によって投資元本と収益分が現金化されることになります。収益が出た状態で投資を終わらせることは重要なので、これそのものは悪いことではありません。
制度として考えたとき、NISAの運用資産を売却することが、非課税投資期間の終了を意味します。ここをどう捉えるかがカギとなります。
このまま持ち続ければ、さらなる含み益獲得のチャンスがあったかもしれませんが、それを打ち切ることになりますし、同一年内に売却から再投資をする場合、年間投資枠を使い過ぎることになります。
一方で、NISAには1,800万円の生涯投資枠があります。資産の売却はその上限到達を遅らせることにもなります。
昨年以前の投資資金について、十分な値上がり益を確保したのであれば、これは売却してもよいかもしれません。ただし、年240万円までしか成長投資枠は使えないことを考えると売買頻度を高めすぎないほうがいいでしょう。
「売ったお金をどうするか」をしっかり考えよう
上昇している投資資金を売却することは必ずしもダメ、というわけではありません。特に資金ニーズがある場合は、現金化をためらわなくてもいいでしょう。
この場合の資金ニーズについては、教育資金や住宅購入資金、老後資金だけが売却理由と限定しすぎることもありません。
例えば「学費のめどはついているので、今回の利益で家族旅行に行き、大切な思い出をつくる」といった使い方は、あえて出費する価値があります。
将来の資金ニーズには、ある程度の道筋がついていることが望ましいとはいえ、自分自身の経験、家族との体験などにお金を使うことは決してムダではありません。
せっかくの株価上昇局面です。使い道を真剣に考えてみるのもまた、投資の楽しみといえるでしょう。
(山崎 俊輔)

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