1-3月期のGDP成長率は5.0%に加速、消費低迷は3月も続く

 中国の2026年1-3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比5.0%と、2025年10-12月期の同4.5%から加速し、政府の通年目標「前年比4.5-5.0%」の上限に当たる数字となった。物価の回復傾向を受け、名目GDP成長率は推定4.9%。

2025年10-12月期の同3.9%、2025年通年の前年比4.0%から加速した。


 主に輸出の堅調やAI産業の拡大、財政政策の強化を通じたインフラ投資や耐久消費財消費の底上げが、1-3月期の成長を支えた。ただ、内需は依然低調。旧正月休暇後には消費の鈍化が鮮明となり、サービス業の固定資産投資や不動産開発投資も低迷している。


 1-3月期のGDP成長をけん引したのは第2次産業で、前年同期比4.9%と10-12月期の3.4%から加速した。


 第2次産業の中では建設業が低迷する半面、鉱工業が堅調。自動車、輸送機器(自動車以外)、汎用・特殊設備などの輸出好調を受け、1-3月期の鉱工業生産は6.1%増(10-12月期は5%増)に加速した。ほかに電子産業などAI関連分野の成長も背景にある。月次ベースでは1-2月の6.3%増から、3月には5.7%に減速した。


 内需は固定資産投資が1-3月期に1.7%増と、小幅ながらもプラス成長を回復した(2025年通年では前年比3.8%減)。設備更新支援策の継続やAI関連投資の急拡大、建設事業の早期着工が寄与した。


 3月単月では1.6%増(1-2月は1.8%増)で、うちインフラ投資が7.2%増(同11.4%増)、製造業投資が4.9%増(3.1%増)。

3月には不動産の販売統計や価格指標に改善の兆しが見られたが、不動産開発投資は減少した。


 内需指標では小売売上高も低調で、1-3月期に2.4%増。うち商品小売額は2.2%増と、前四半期の1.5%から上向いたが、買い替え補助金による消費底上げ効果は1年前に比べて減衰した。


 直近の3月の小売売上高は1.7%増と、1-2月の2.8%増から減速し、内訳は商品小売額が1.5%増、飲食収入が2.8%増。品目別では通信機器が27.3%増を記録する半面、自動車は購入税減免措置の縮小が響き、11.8%減少している。


 家計の可処分所得は1-3月期に5%増と、前四半期から0.2ポイント加速したものの、前年同期比では0.5%縮小。可処分所得に占める支出の割合を示す平均消費率は、前年同期の58.9%から58.2%に低下した。


 BOCIによると、1-3月期のGDP統計に示されたのは、需要の低迷とは対照的な供給サイドの底堅さ。輸出は今後も相対的に堅調を維持し、鉱工業生産を支える可能性が高い。半面、家計消費や一部サービス業の固定資産投資は低調であり、雇用や先行き信頼感の改善、人的投資の強化の重要性などが強く示唆された。


 一方、中東情勢が長期化し、世界経済見通しに影を落としている現状を考慮すると、中国のマクロ経済政策は支援的なスタンスを維持する見込み。海外情勢に対応した柔軟な政策運営を続ける可能性が高いとしている。


(Bank of China int.)

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