東海道・山陽新幹線の主力車両N700系が、すべて「Aタイプ」になりました。これで何が変わったのでしょうか。

2015年8月にJR東海、2016年3月にJR西日本が

 JR西日本は2016年3月8日(火)、同社が保有する東海道・山陽新幹線用のN700系電車について、3月7日(月)に改造工事を完了。すべてが「N700Aタイプ」になったと発表しました。

「N700Aタイプ」とは、当初からN700Aとして製造された車両と、N700系を“N700A相当”に改造した車両の総称です。

 N700系は、2007(平成19)年7月1日に東海道・山陽新幹線へデビュー。そして2013年2月8日に、その改良型である「N700A」が登場しました。「A」は「Advanced(進歩した)」の略です。

 これに伴い、JR東海とJR西日本は既存のN700系を“N700A相当”にする改造工事を開始。JR東海は2015年8月5日にそれを終え、JR西日本も今回それを終了しました。よってこのたびの工事完了で、東海道・山陽新幹線のN700系はすべて改良型の「N700Aタイプ」になります。

 ちなみに、元から「N700A」として製造された車両と、N700系を“A化”した車両は、側面のロゴマークにある「A」の大きさで見分けることが可能。大きく「A」と書かれているのが、元から「N700A」として登場したものです。

 なお、JR西日本のN700系には「みずほ」「さくら」などに使用する、淡い水色をした山陽・九州新幹線用の車両もありますが、こちらは今回の“A化”の対象外です。

“A化”で何が変わるのか?

 N700系の“N700A化”によって、何が変わるのでしょうか。

 ひとつは安全性の向上です。ブレーキ装置を「内周締結ブレーキディスク」から「中央締結ブレーキディスク」へ変更。JR東海の資料によるとブレーキ力が15%向上したといい、地震発生時などより速やかな減速、停止が可能になります。

 ダイヤの乱れに強くなったことも挙げられます。勾配やトンネルによる影響を予測しつつ、信号の指示速度を守りながら高い精度で目標速度に追随、一定の速さで走れる「定速走行装置」を搭載。より効率的な運転が可能になり、ダイヤが乱れた際の遅れ回復などで効果を発揮します。

 そして、所要時間の短縮にも繋がっています。東海道・山陽新幹線用のN700系はカーブ走行中、空気圧で車体を傾けることで乗客にかかる遠心力を相殺し、カーブを高い速度で通過しても乗り心地の悪化を抑えられる「車体傾斜装置」を搭載しています。

 N700Aと“A化”されたN700系は、この車体傾斜に必要な空気タンクを“無印”のN700系より多く搭載。車体傾斜できる区間が増えたことにより、2015年3月からカーブの多い東海道新幹線で最高速度の270km/hから285km/hへの引き上げと、所要時間の短縮を実現しています(東京~新大阪間を2時間22分へ3分短縮)。

 ただ“A化”されたとはいえ、N700Aすべての機能を備えているわけではなく、車輪部分の状態をチェックする「台車振動検知システム」などは搭載されません。

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