合流や車線変更の際に譲ってもらったとき、ハザードランプを短時間点灯させて感謝の気持ちを伝える行為は、いわゆる「サンキューハザード」と呼ばれています。近年では、SNSなどを中心にその必要性や是非がたびたび議論されています。
JAFの調査によると、サンキューハザードを「行う」と回答した人は85.6%にのぼります。特に関東や中部など交通量が多い地域で習慣化している一方、北海道や東北地方など交通量が比較的少ない地域では少ない傾向が見られます。
ただ、そもそもハザードランプは「非常点滅表示灯」と呼ばれ、自車の異常や危険、停止状態を周囲に知らせる目的で使用されるものです。道路交通法では、「夜間に幅員5.5メートル以上の道路で停車・駐車する場合」や「通学・通園バスが児童・幼児の乗降のために停車する場合」など、使用すべき場面が明記されています。
かつては、車線変更や合流の際に窓を開けて手で挨拶する方法が一般的でした。こうした中、1980年代頃に高速道路を長距離運行するトラックドライバーの間で広まったサンキューハザードが、徐々に一般ドライバーにも浸透したとされています。
もちろん、サンキューハザードで実際に交通違反として取り締まられるケースはほとんどなく、ドライバー間の慣習として黙認されています。譲ってもらったことに感謝を伝える手段となり、気持ちの良いドライブに繋がってる側面があります。
また、高速道路の渋滞時にハザードランプで後続車へ減速・停止を知らせる行為も法令で明文化されてはいませんが、安全確保の観点からNEXCO各社が推奨しています。
一方、サンキューハザードを「行うべきではない」とする意見も根強く存在します。
その背景には、「強引な割り込みの免罪符」として使われているとの見方が強まっていることや、地域や年代によって教習所での指導内容にばらつきがあることなど挙げられるほか、「ハザード本来の目的とは異なる要らないマナー」「停車と勘違いして事故に繋がる可能性もある」というような意見も見られます。
なお、同様の行為としてサンキューの意味でクラクションを短く鳴らす人もいますが、クラクションについては、「危険を防止するためやむを得ない場合」や「法令で使用が義務付けられている場合」を除き、使用が禁止されています。

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