廃止前の志布志行き快速に乗車

 JR日南線は、九州の日南海岸に沿って南宮崎~志布志間を走るローカル線です。大半の列車は宮崎駅を発着し、途中の田吉駅までは宮崎空港線の一部として特急電車も運行されますが、田吉~志布志間は純然たるローカル線という変化のある路線です。

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 その歴史は、1913(大正2)年に始まります。飫肥~油津間の宮崎県営鉄道飫肥線と、赤江(現・南宮崎)~内海の宮崎軽便鉄道が相次いで開業したのです。

 一方、終点となる志布志に鉄道が開業したのは1925(大正14)年でした。国有鉄道の宮崎線都城駅から志布志線が志布志まで延長。1937(昭和12)年までに志布志から油津まで開業すると宮崎県営鉄道は改軌され、1941(昭和16)年に志布志線の一部として北郷に到達します。

 宮崎軽便鉄道と接続する形で、南宮崎~志布志間が鉄道でつながったわけです。そして宮崎交通になっていた南宮崎~北郷間は1962(昭和37)年に廃止され、翌年にその一部を利用する形で、国鉄日南線として全線開通しました。

 日南線は志布志で志布志線と大隈線に接続していましたが、1987(昭和62)年に廃止され、行き止まり終着駅になりました。そして1996(平成8)年、田吉駅が開業。同時に宮崎空港線が分岐して現在に至ります。

 どのような利用をされているのか、2026年1月の水曜、南宮崎9時15分発の快速「日南マリーン号」に乗車しました。3月のダイヤ改正で廃止された列車です。

ダイヤ改正後は南宮崎~青島間は増発されたものの、午前中の志布志行きは、南宮崎6時18分発のみとなりました。廃止前の志布志行き快速列車はどのような利用をされていたのでしょうか。

 快速「日南マリーン号」は南宮崎9時15分発です。キハ40形気動車の単行でした。乗客は発車直前まで7人程度でしたが、9時7分に宮崎駅からの電車が向かいのホームに停車し、20人ほどが乗り継ぎます。需要の中心が宮崎駅にあるなら、一駅伸ばして宮崎発にしてもいいように感じます。実際、2025年までは宮崎発でした。

 さらに、9時14分にも普通列車が到着し、15人増えた42人で出発。立客もいる盛況でした。窓が磨かれていて、とても綺麗です。

列車に2時間半揺られて終着駅へ

 9時19分、田吉着。宮崎空港線が分岐する駅ですが乗降なし。

コンクリートの高架線が離れていきます。ダイヤ改正後は、特急「海幸山幸」がいったん宮崎空港駅に立ち寄ってから、南郷駅を目指すという運行形式となりました。

 出発すると平原の中を疾走します。9時27分の木花で9人下車、9時30分の運動公園では乗降なし、9時35分のこどもの国で7人下車・1人乗車。そして9時38分の青島で15人下車・2人乗車と大きな動きがありました。

 青島を過ぎると進行方向左側に海が見えます。青島トンネルを抜けて、内海を通過した後に国の天然記念物「鬼の洗濯板」の絶景が見えます。隆起した砂岩層が洗濯板のように見える風景で、特急「海幸山幸」では一時停車し、解説も入ります。

 線路はしっかり整備されており、スピード感ある走りを見せます。9時52分の伊比井は鵜戸神宮へのアクセス駅ですが1人下車のみ。

 10時6分の北郷で2人乗車と列車交換。ここからは広渡川の景色と山の風景が見事です。

急に市街地になると10時15分、飫肥着。3人下車4人乗車と動きがあります。

 ここからは各駅に停車します。路線名となった日南で3人下車・1人乗車、10時25分の油津で8人下車・1人乗車と大きく動いて車内はがら空きに。日向灘の景色が見え、大堂津では動きなし。特急「海幸山幸」の終着駅である南郷は10時40分着。2人下車です。

 10時45分の谷之口で2人乗車、10時52分の榎原では乗降なし。日向大東は市街地になるも乗降なし。11時12分の日向北方で1人下車。11時16分の熊前木はアニメ『ポケットモンスター』の駅名標で、2人乗車・2人下車でした。

 ここからは乗降がありません。

福島高松を過ぎると海の景色が楽しいです。志布志に近付くと市街地が大きくなり、港湾が目を楽しませます。

 11時39分、終点の志布志で10人が下車しました。2時間24分の長時間乗車でしたが、平日ながらも、全区間でこまめな利用があり、廃止して大丈夫なのかと感じられます。大阪へのフェリーが発着する志布志港フェリーターミナルは徒歩圏内なので、筆者はフェリーに乗るために利用しましたが、列車はなかなか盛況でした。

 なお、ダイヤ改正後は、上りの最終列車のみが快速「日南マリーン号」となりました。観光地も多く、景色も美しい日南線の旅、一度体験しても良いかもしれません。

【風光明媚】これが様々な「顔」を持つ日南線の車窓です(写真)

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