渓流釣りと相性の良い野草を求めて、著者は日々渓流を遡行しながら様々な植物を観察し、時に採取・調理を行い、美味しく頂いている。そんな野草採りのシーズンもいよいよ中盤~後半に差し掛かってきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
クレソン/オランダガラシ
まずは外来種として各地で問題となっているクレソンを紹介したい。
厄介な外来種
クレソンは。肉料理の付け合わせとして大変有名な植物だ。実際に「クレソン」という名で普通に販売されており、知っている方も多いのではないだろうか。だが、その正体は「オランダガラシという外来種」で、明治初期に日本に入ってきたとされている。
繁殖力が大変強く、野生化したクレソンが生活用水路を塞いでしまったりするので、各地で問題となっている。
採集時の注意
現在本種は外来生物法に基づき、「生態系被害防止外来種」に指定されている。今後は生きたまま、即ち生のままの持ち運びが禁止される可能性もあるので、採集したい場合は注意しておく必要がある。
また、水質がある程度汚染されている場所でも普通に繁茂するので、採取して食すなら水がきれいな場所を選ぼう。そういう意味では、渓流釣りとの相性はいいと言えるだろう。
摘み取り時の注意
先述したように、本種は大変繁殖力・生命力が強い。節がある茎の切れ端から根が発生し、あっという間に繁茂してしまうほどだ。摘み取った分はそのままきちんと持ち帰るようにしよう。破片を川に捨ててしまうと、そのまま下流へと流れて行き、引っかかった場所でまた繁茂してしまう可能性があるからだ。
新芽がおいしい時期は一般的に3月~5月で、標高がある場所・水温が低い場所なら6月まで採集が可能だ。摘み取った際に爽やかな香りがする柔らかい新芽の部分のみを摘み取るといい。
生では食べないで!
クレソンといえば、ステーキの横に生のものが添えられているイメージが強いと思うが、自然界で採集したものは肝蛭という寄生虫(卵等)が付着している可能性がある。よく洗った後、しっかり火を通してから食べる事を心掛けてほしい。
ムニエルと相性抜群
著者オススメの食べ方は、以前紹介したガーリックムニエルの付け合わせだ。
ガーリックムニエルを仕上げた直後のフライパンに、食べやすくカットした本種を投入し、しんなりするまで絡めるように炒めるだけ。アマゴやバターの旨味を吸い込んだクレソンは、驚くほど美味だ。あまりの美味しさに、我が家ではアマゴそっちのけで取り合いになったこともある。
クズの新芽
続いては、クズの新芽を紹介したい。
有名な葛
今回紹介するクズは、葛粉が有名なあの「葛/クズ」の新芽だ。根から葛粉がとれることは広く知られているが、新芽が食べられることはあまり知られていない。著者は野食ハンター・茸本氏のYoutubeで知った。
Youtubeリンク挿入
繁殖力が強い
こちらは日本では在来種として扱われているが、繁殖力が大変強すぎるという厄介な側面がある。渓流釣りにおいては、河川敷を普通に歩いていればどこでも見かけるレベルだ。
新芽部分を摘む
食用に適しているのは、ひょろりと伸びた新芽部分。できる限り太い芽を選び、手で折れる場所を探していくと簡単にポキンと折れる場所があるので、そこから先端部分を持ち帰る。
折り取った場所から出てくる白いロウのような液体が、手や服に付着しないように注意してほしい。
茹でてからお浸し
持ち帰った新芽は、お湯1リットルに対し小さじ1程度の塩を入れた熱湯で5~6分程度茹で、冷水にさらす。その後付け根付近から先端に向かって、筋取りの要領で毛が生えている皮を剥くと、つるりと簡単に剥けていく。
あとは一口大にカットし、そのまま「塩茹で」として食べてもいいし、めんつゆをかけてお浸しにしてもいい。マメ科に属する植物だけあり、その味は枝豆のような風味で大変おいしい。
茸本氏が「街中でも採れる野草としては大変おいしい部類」と紹介しているのも納得の味だ。
モミジガサ/シドケ
最後に紹介するのは、場所によっては「山菜の王様」ともいわれる高級山菜、モミジガサ/シドケだ。
東北で大人気?
山菜としては比較的有名な種で、秋田や長野などでは大変珍重されているようだ。著者の住む兵庫県では知名度が低く、あまり名前を聞く山菜ではなかったが、時折道の駅や山奥にある産直にて、結構な値段で販売されている。
毒草に注意!
芽吹きの時期は猛毒植物であるトリカブトと似ているとされている。本種はモミジのような葉だけでなく、葉の裏面に細かい毛が多く生えている、葉の切れ込みが基部まで到達しないといった点で見分けることができる。
確信を持って「そうだ」と思えない場合や、少しでも不安な場合は、採取を避けたほうが無難だろう。先にトリカブトという植物がどのようなものなのかを理解しておく必要もある。茸本氏の動画で詳しく紹介されているので、参考にしてみてほしい。
間引くように採取
本種は湿り気のある樹林や林縁などに生えるとされ、実際に著者は、渓流釣りポイントへと向かう林道にある沢の周辺に群生地を発見した。
とはいえ、あるだけ採取すると当然ダメージを与えてしまうので、傘があまり開ききっていない新芽を間引くように、かつ食べる分だけ採取するのがいいだろう。
食味は……!?
触感や香りを楽しむ山菜だということで、お浸しや和え物、煮浸し、天ぷら等で食される。著者もお浸しで食べてみたのだが……なんと口に合わなかった(!)。セリやフキに似た独特の香りだと思い食べてみたのだが、どちらかというと著者が最も苦手とする野菜、セロリの香りと味に似ていたのだ。
著者はフキやセリは食べるのだが、体感としてはフキのような香りの中に、明確にセロリのような後味と鼻に抜ける香りがいる印象だ。ただ、歯触りは大変良かったため、この味と食感が好きな人にはたまらない一品だろう。
好みに合う野草や山菜を探そう!
今回著者は、初めて「口に合わなかった種」を紹介した。では何故紹介したのかというと、「渓流釣りの最中に高名な山菜が偶然見つかる可能性がある」という面白さと、「すべての野菜・山菜が自身の食味と合うわけではない」という事を、本記事を通じて知ってほしいと思ったからだ。
この辺りはやはり釣りと同じで、トライ&エラーの精神が必要だと感じる。
うという事は無い。正しい知識と予防策を持って、大自然を満喫してほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>
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