多くの人が将来や老後に備えて貯蓄に励む一方で、実はそのお金を十分に使い切らないまま人生を終えているという現実があると指摘するのは、不動産投資家の木下たかゆき氏だ。とはいえ、老後の不安もあるなか、稼いだお金はいつ、どんなふうに使うべきなのか。
『資産80億円を築いた不動産投資家による 若いうちに経済的自由を掴む成功法則』より一部抜粋、再構成してお届けする。
お金の価値は若いときほど高い
白血病を経験したことで、僕の人生に対する価値観や考え方は大きく変わりました。人生の優先順位が「健康→人間関係→時間→お金」へと変わったこともその1つです。
そして40代に入った今、サラリーマンを辞めて不動産投資にがむしゃらに向き合ってきた約20年間を振り返ってみたときに、痛切に感じることがあります。
それは「お金の価値は若いときほど高い」ということです。
なぜなら、20代・30代という若いときには、体力も気力も精神力も十分にあるため、お金の価値を十分に得ることができるからです。
もし、体力が余りある20代・30代のときに10億円あったらどうでしょうか。仲間たちと旅行に行って連日どんちゃん騒ぎをしたり、朝までカラオケやクラブで盛り上がったり、好きなゲームを買いまくって徹夜で没頭したりすることもできるでしょう。
他にも、ファッションでも釣りでも音楽でも、自分が興味のあることにお金を注ぎ込み、欲しいものを欲しいだけ買うことができる。
若い頃なら、いくらお金があっても足りないくらいに、お金を使う先や使う気力があるのです。
しかし、70代・80代になってから10億円を持っていても、若い頃のようにお金を使いまくれるでしょうか? 「欲しい」と思える物が一体どれだけあるでしょうか? 海外旅行に行きまくるほどの気力や体力が残っているでしょうか?
年齢を重ねるほどに多くの人は気力や体力が落ち、物事への関心も徐々に少なくなっていきます。実際、僕は今40代前半ですが、以前に比べると「お金を使おう」と意識しないと使えなくなってきました。
「70代になったら何にお金をかけたくなるんだろう?」と想像してみても、具体的なイメージが湧いてこないのです。
加えて、年齢を重ねれば健康リスクも高まります。健康を害してしまえば、それこそお金の使い道は一気に狭まります。僕は約1年もの間、病室で過ごしたのでよく分かるのですが、健康を失うとお金を使うことができません。
病室ではあまりに使い道がなかったため、僕は1泊7万7000円の特別個室に入っていました。
なかなかいいお値段ではありますが、健康を害してしまうと、こういうところにしかお金を使う先がないのです。
健康の話に少し逸れてしまいましたが、とにかく言いたいのは、お金の価値は若いときと年老いたときとでは全く異なるということです。
若くて体力も気力も充実しているときのほうが、お金の価値は圧倒的に高いのです。
稼いで貯めることの落とし穴
若いうちのほうがお金の価値は高い。だからこそ、お金は若いうちに使ったほうがより多くの対価を得られることは、ここまでお伝えしてきた通りです。
ただ、20代や30代のサラリーマンだと会社の給料だけでは収入に限界があるため、節約して貯めることに躍起になりがちです。
現代は昔に比べれば「貯蓄から投資へ」という流れに少しずつ変わってきているように感じますが、それでも日本人はまだ「お金は貯めるべき」と考える人が大半の印象です。
「将来のため」「子どものため」「老後のため」と、お金を貯め込むことに何の疑問も抱かない人がほとんどではないでしょうか。
もちろん現金を持っておくことは大切ですが、それだけにこだわってしまうと、せっかくの人生、楽しい経験や思い出を得られないままになってしまいます。お金は使ってこそ、初めて価値を生むからです。
あなたは日本人がいつ一番お金持ちなのかをご存じですか?
答えは「この世を去るとき」です。
2020年にMUFG資産形成研究所が行ったある調査によると、遺産相続の平均額は3273万円、中央値は1600万円とされています。
つまりは、日本人の多くは「人生の時間を使って、頑張って稼いで貯めた約1600万円ものお金を使わずにこの世を去っている」のです。
汗水を垂らし、嫌な仕事や気の合わない上司・同僚との人間関係に耐えながら、人生を捧げて稼いだ1600万円。
その大切なお金を使わずに死んでしまうのは、これまでの人生の時間を捨てているようなものではないでしょうか。
もちろん、これだけの額があれば、残された家族は金銭的に助かる面もあるでしょう。
自分が死んだ後のことを考えて、家族にお金を残すためにあえて使わずに貯めている人もいると思います。
しかし、自分の人生をもっと楽しくできたはずなのに、その価値を得ずにこの世を去るのは、僕はあまりにもったいないなと感じてしまいます。
貯金ばかりにこだわってしまうと、お金のために働いた人生の時間を無駄にしてしまうという大きな落とし穴があるのです。
『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著)という、日本語版刊行からわずか4年半で50万部を突破した大ベストセラーの書籍があるのですが、この本でも「お金はただ貯めるのではなく、人生の最も価値ある時期に経験へ投資すべきだ」と述べられています。
「ゼロで死ね」というタイトルの通り、稼いだお金は経験や体験にどんどん使ったほうが、より豊かで幸せな人生につながりやすいのです。
若いうちから投資すべきはこの4つ
「お金はどんどん使うべき」と言っていますが、日々の暮らしがあるのにお金をすべて体験や思い出に使うわけにもいかないと思います。生活費、子どもの教育費、万が一の備えとしても、ある程度の貯金は必要でしょう。
ここで大切なのは「どんなことに、どれくらいお金を使うのか」を決めることです。
お金も時間も有限のため、何にどれくらい投下するかを考えておけば、お金の使い道と量を最適化することができます。
僕が資産100億円規模にまで到達できたのは、お金を最適なところに絞って使ってきたからです。お金はリターンのあるところに使うほど、より大きな成果として返ってきます。
僕の経験上、お金の使い道としてリターンを得やすいのは次の4つです。
• 自己成長
• 健康
• 人脈
• 遊び
文/木下たかゆき
『資産80億円を築いた不動産投資家による 若いうちに経済的自由を掴む成功法則』(ぱる出版)
木下たかゆき
本書は「若いうちに、自由な人生を手に入れるための戦略」をまとめています。それだけでなく、白血病を乗り越えたからこそ伝えられる「お金の使い方」や「人生の優先順位」についても詰め込みました。お金は持っているだけでは意味がありません。お金をどう使い、どう生きるか。それが人生の幸福度を大きく左右します。
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稼ぐ力の源泉は健康にある/意識的に決断の回数を増やす/仕事が自動で回る仕組みを構築/資金がなくても今すぐ稼げる方法/即断・即決・即行動を心がける
○若くして成功する人たちが徹底的にこだわっているもの
○買った物件が儲かるかは相場より安く買えたかどうかで9割方勝負が決まる
○稼いだお金は経験や体験にどんどん使った方がより豊かで幸せな人生に繋がる

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