外食分野における特定技能1号の在留者数が上限の5万人に達する見込みとなったことを受け、農林水産省と出入国在留管理庁は4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時停止した。人手不足が続く外食産業にとって重要な担い手だった外国人労働者。
その新規受け入れの停止に、現場からは戸惑いや懸念の声が上がっている。飲食店と人材紹介会社への取材から、その実態を追った。
「キッチン職は、調理師免許を持っている方や調理そのものに強い関心がある方でないと応募が集まりにくい」
「外食業分野における特定技能1号の在留者数(以下「在留者数」という)は、本年2月末現在で約4万6千人(速報値)となっており、本年5月頃に受入れ見込数(受入れ上限。5万人)を超えることが見込まれる状況です」
3月末、出入国在留管理庁はこのように現状を説明し、出入国管理及び難民認定法に基づき4月13日から外食分野における特定技能1号の在留資格認定証明書の一時的な交付の停止措置を講じることを発表した。
この措置は国内の外食企業に大きな影響を与えている。
北海道・札幌市を中心に飲食店を展開する株式会社gcompanyもその一つで、採用予定だった外国人2人の内定を取り消さざるを得なくなったという。
「インドネシア国籍の方を2名正社員として採用し、同じ店舗に配属する予定で動いていました。
2月末に内定を出しましたが、3月27日の出入国在留管理庁からの発表を受け、すぐにキャンセルせざるをえなくなりました。
日本での就業を目指して半年間日本語学校で学んできた方たちで、本人たちのショックも大きかったようです。
弊社では今回が初めての外国人採用となる予定でした。昨年も3店舗出店していたため、人手不足も解消できるかなと希望を持てたところでした」
同担当者は、今回の措置について「非常に急だった」と話す。
「知ったときはかなり社内が混乱しました。2名分の戦力が一気にゼロになってしまうのは会社としてはすごく痛手です。
特にキッチン職は、調理師免許を持っている方や、調理そのものに強い関心がある方でないと応募が集まりにくい性質があります。
日本人の採用については、他社も同時に受けている人が多く、最終的に弊社を選んでもらうのは簡単ではありません。そうした事情を踏まえると、そもそも採用につなげること自体が難しい。
そのため、今回内定していた2人が来られなくなったことは、ようやく進みかけていた採用計画が崩れたという意味で非常に大きいです」
一方、居酒屋チェーン「鳥貴族」などを運営する株式会社エターナルホスピタリティグループの担当者は「現状で業績や今後の営業活動への大きな影響はない」と話す。
「正社員に占める外国籍の方は1%を切り、特定技能者の採用はそこまで大きな割合を占めているわけではありません。
現状で業績や今後の営業活動への大きな影響はありませんが、長期的に見て出店計画に何かしら影響が生じる可能性はあり得ます」
「某大手チェーンには外国人労働者を数百人単位で入れているところもあります」
今回の措置は、外国人の人材紹介を行なう企業にも影響を及ぼしている。
外国人人材サービスを展開する株式会社LivCoの佐々翔太郎代表取締役は、企業への案内の内容を急遽切り替えたという。
「今回停止になったのは『新規で特定技能・外食のビザを発行すること』であって、すでに特定技能・外食で働いている人が別の外食企業に移ることはできます。
ですから、『新規受け入れはできませんが、すでに外食の特定技能を取得している人の転職は紹介できます』という案内に切り替えています」
一方で、すでに内定が出ていたものの、まだ特定技能・外食を取得していなかった国内在住者やこれから来日する人は内定を取り消し、他業界の求人を紹介しているという。
「外国人の多くは『まず日本に行きたい。その中で外食ならいいかな』という順番で考えますので、『日本に行けるなら働ける業界が変わっても構わない』という人は多いです。
ただ、中には外食の勉強をずっとしてきたという人もいます。特定技能は業界ごとに試験があり、それに合格しないとその業界では働けません。
ですから『外食の勉強にかけた時間を返してほしい』という思いはあるでしょう」(佐々氏)
佐々代表は、外食業が外国人労働者にとって人気である理由をこう説明する。
「外国人にとって日本での自動車免許の取得はハードルが高く、持っていない人が多いため、生活や交通の利便性の高い都市部に集まりたくなる。
その点、外食は都市部での求人が多いので、都市部に入れる可能性が高くなります。
また、外食はどの国にもある産業で馴染みがありますし、母国に帰ってからも経験が活かせます。加えて待遇面も魅力的です」
今回の措置を受け、「月商は30%ダウンする勢いだ」と話す佐々代表は、その影響が中長期的に業界全体へ広がる可能性を指摘する。
「もともと他業界にも紹介はしていたので、売り上げ自体は立つ見込みです。
とはいえ、中長期的に見ると、今回『外食には上限がある』ということがはっきりしてしまった影響は大きいです。
もともと人手不足ですし、政府が建前として上限を設けていても、実際には止めないだろうという見方もありました。
しかし、今回の件でマーケットの大きさが一気に確定してしまったわけですから、人材紹介業者の中には撤退する会社も出てくるのではないでしょうか。
さらに、飲食店の現場は(人員確保が)追いついていません。
某大手チェーンには外国人労働者を数百人単位で入れているところもあります。そういうところは今回の件は大きな痛手だと聞きます」(佐々氏)
「可能であれば早い段階で上限の見直しをしていただきたい」
佐々代表は、今回の措置について「とにかく急すぎる」と指摘したうえで、産業分野別の受け入れ人数の設定自体にも疑問を投げかける。
「今回の決定を1年前に言ってくれていれば、紹介業者も飲食店も覚悟はできましたし、外国人労働者側も、日本に行く準備をする必要がなかった。今回の件は日本の評判を下げたのではないでしょうか。
また、業界によって人員の充足率も全然違います。特定技能だけで見ても介護の半分以下の上限しかないというのは、本当に現場ニーズを踏まえているのか疑問です」
外国人人材を軸とした事業を展開する株式会社明光キャリアパートナーズの担当者も、今回の措置の影響は「少なからずあります」と話す。
「私たちがご紹介する求職者の中には、他業界での技能実習で経験を積み、特定技能では外食をやりたいので、試験を受けてすでに資格を持っている、という方も一定数います。
この場合、技能実習という在留資格から特定技能在留資格に変更になり、新規の受け入れ扱いになってしまうため、企業へ紹介ができなくなります。こうしたケースが少なからず生じています」
外国人労働者の他業種から飲食業へ転職のニーズは高く、その理由について同担当者はこう説明する。
「日本語を使う仕事をしたいという方や、もともと料理や接客に関心のある方が、いったん別の業種に就き、特定技能に切り替わるタイミングで外食に転職する、というケースも少なくありません。
建設業などに比べ、飲食店の場合は屋内の空調のきいた環境で働けることも魅力の一つでしょう。
さらに外国人はコミュニティが広く、『外食の仕事はいいよ』という評判が口コミで広がりやすい。その結果として、国が想定を上回る雇用につながった側面もあるのではないかと考えています」(明光キャリアパートナーズ・担当者)
同社のもとには、外食企業から困惑の声が届いているという。
「アルバイトで勤務する留学生が卒業するタイミングで特定技能に切り替えて、正社員で採用するというフローで計画を組んでいる企業もあり、そういうところにも影響が出ています」
今回の措置について問うと、「早い段階での見直し」を求めた。
「2019年に特定技能制度が始まったタイミングで、各分野での受け入れ上限予定数が設定されたことは問題ないと思いますが、結果として、外食業界では想定以上のニーズがあったわけですから、可能であれば早い段階で上限の見直しをしていただきたいです」
現場と制度のずれは今後どのように修正されるのか。早急な議論が求められている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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