2026年6月15日、中国メディアの中国新聞週刊は、日産自動車が中国ブランドのために英国工場の生産ラインを開放し、完成車の受託生産を行うと報じた。
記事は、日産が奇瑞(チェリー)自動車の英国法人であるチェリー・インターナショナルUKとの間で、27年4月から英国のサンダーランド工場の第1生産ラインで奇瑞向けに完成車の受託生産を行うことを前向きに検討する法的拘束力のない合意を交わしたと紹介。
その上で、今回の提携の背景には、従来の伝統的な外資系自動車メーカーが抱える生産能力の過剰や低迷という苦境の現状と、中国自動車産業の台頭があると評した。
記事は、中国汽車工業協会が6月10日に発表した輸出データによると、今年5月の中国の自動車輸出台数は前年同期比68.7%増の93万台となり、2カ月連続で単月の輸出量が90万台を超えたと紹介。1~5月の累計では同63%増の405万9000台に達したと伝えた。
また、輸出自動車のうち電気自動車(EV)などの新エネルギー車は45%以上の183万3000台となっており、自動車の海外進出における成長の柱になっているとした。
記事は、世界の自動車産業で長年続いてきた「西側の技術、東側の市場」という伝統的な構図はすでに揺らぎ、「東側の技術、西側の生産能力」という全く新しい協力モデルが、世界の自動車産業が次の段階へ移行するための新たなトレンドになりつつあると伝えた。
このニュースは中国のSNS・微博(ウェイボー)のトレンドワードランキングに登場するなど中国のネット上で注目を集めた。中国ネットユーザーの意見は、今回の提携を中国自動車産業の台頭の象徴として前向きに受け止める声と、技術流出を懸念する声に大きく二分された。
前者では「かつては市場と引き換えに技術を得たが、今度は技術で市場を得る番だ」「栄枯盛衰だな」「奇瑞すごい」といった中国車の躍進を誇らしむ声が相次ぎ、「遣唐使のやり口をまた繰り出してきた」と日本の立場を皮肉るコメントも見られた。
一方、否定的な声としては「日本に技術を盗まれる」「中国の新エネルギー技術を日本に教えるな」「技術は必ず守れ」といった懸念が多く寄せられ、日本製品の不買を呼び掛ける声や、日本工場が最終的に軍需工場に転換されるとして反対する過激な意見も一部に見られた。また、「日本工場が手を抜かないか」という品質面での不安を示す声もあった。(編集・翻訳/川尻)











