2026年6月29日、中国メディア・経済観察報は、中国の週平均労働時間が減少して過酷な残業が緩和されつつあるものの、景気停滞や制度的圧力を背景にしたものであり問題解決には至っていないと報じた。

記事は、9年連続で増加してきた全国の企業就業者の週平均労働時間が昨年減少に転じ、今年1~5月も約48時間と引き続き減少傾向にあると紹介。

依然として週44時間を超えないという法規の基準を上回る高い水準にあるものの、残業状況は緩和されつつあることを伝えた。

そして、労働時間の減少を後押しする制度的要因として、中国国内の反「内巻」(過当な内部競争)政策による残業取り締まりの強化や、企業の自主的な残業禁止措置に言及したほか、中国社会法学研究会の董保華(ドン・バオホア)副会長が「EUの『強制労働法』といった海外のルールが輸出企業の残業行為を制約している結果」と指摘したことを紹介している。

記事によると、董副会長は制度的な要因に加えて、「不景気の中で企業が従業員の残業を削っていることも労働時間減少の主な要因である」と分析。専門家からは「経済成長停滞の表れ」との見方も出ているという。

また、首都経済貿易大学の毛宇飛(マオ・ユーフェイ)准教授は、メッセージアプリなどデジタルツールの普及により仕事がプライベートな時間を侵食し、統計に表れず監督の目も届かない「隠れ残業」が広がっていると指摘した。

記事は、国家統計局の統計では定義上、長い労働時間を強いられる配達員や運転手など約2億人のギグワーカーが含まれず、就業者全体の約3割の実態が反映されていないと指摘している。(編集・翻訳/川尻)

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