シンガポールメディアの聯合早報は9日、中国の大都市で築年数が経過した古いマンションや狭小マンションの需要が高まっているとし、「このことは不動産市場の回復が限定的であることを表している」と伝えた。
記事は、「中国の不動産市場は約5年にわたる低迷を経て、ようやく住宅購入者が戻り始めた。
記事によると、購入者はこうした欠点に目をつむる一方、好立地、教育環境の良い学区、充実した生活インフラなどを重視しており、一部の大都市ではこうした条件に当てはまる小型住宅の価格が押し上げられている。調査によると、今年4月末時点で、上海市の70平方メートル未満のマンションの平均価格は、昨年11月の底値から2.4%上昇し、全国の不動産市場が下落基調にある中で逆行高となった。
今年3月に上海市で築40年、32平方メートルの中古物件を約4700万円で購入したという人は、「ぱっと見では刑務所に住んでいるように感じるかもしれない」と外観の古さに言及しつつ、マンションから200メートル圏内で川の景色を楽しめるほか、テニスコートを利用でき、ビジネス街にもアクセスしやすく、近くには地下鉄駅の建設も計画されていることが魅力だと説明した。
ただ、こうした回復は一部の大都市に限られている。米ブルームバーグによると、今年3月の上海市の中古住宅販売件数は過去4年間で最高水準に達し、このうち約半数は200万元(約4700万円)未満のマンションだった。北京市や深セン市、杭州市といった一線都市(大都市)でも同様の傾向が見られた一方で、二線・三線都市(地方都市)では2023年以降、価格が前月を上回った月は一度もないという。
ブルームバーグは、中国市場では長年、新築住宅が人気だったため、老朽化した中古住宅への人気の高まりは「異例の現象」と指摘。不動産デベロッパーは資金繰りが悪化する中、住宅需要の回復によって大量の新築在庫を消化したいと考えているものの、この現象では恩恵はほとんど受けられないとした。
また、野村の中国担当チーフエコノミスト・陸挺(ルー・ティン)氏が「一部の大都市では住宅市場に回復の兆しが見られる可能性はあるものの、それだけでは全国的な不動産市場の低迷による痛みを和らげるには不十分。中国は依然として長期的な不動産不況の中にある」との見方を示したことを伝えた。











