2026年7月13日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、独紙ターゲスシュピーゲルの分析記事を引用し、欧州の猛暑を背景に中国製エアコンが記録的な売上を挙げている現象と、それをめぐる中欧双方の主張を紹介した。

記事は、欧州で続く猛暑によりドイツでもエアコン需要が過去最高を更新し続けており、価格の安さから中国メーカーの製品が特に人気を集めていると紹介。

この特需により広東省仏山市に本社を置く美的(ミデア)が今年4~6月の売上高が前年同期比20%増加する見通しを示したほか、山東省青島市の海爾(ハイアール)も2桁の増収を見込んでいると伝えた。

その上で、中国の官製メディアがこの現象を中欧貿易摩擦の文脈と結びつけていることに言及。新華社が「欧州に熱波、中国のエアコンが大人気」と報じたほか、人民日報は「中国製エアコンの好調な売れ行きが中欧間の経済・貿易協力が本質的に互恵関係であるという『単純な事実』を裏付けている」と論じたことを紹介している。

記事は一方で、欧州側からは懸念が出ていることを指摘。欧州の政治家が問題視しているのはエアコンだけではなく、中国の対欧貿易黒字が1日あたり10億ドル(約1620億円)規模に達していることだとし、自動車、機械、化学、航空など幅広い産業が影響を受けていると説明した。

また、EUは中国の政府補助金が過剰生産能力をもたらし、その余剰分が欧州市場に流入していると主張する一方、中国側は製品の競争力と消費者の支持こそが好調な販売の理由だと反論しており、双方の交渉は平行線をたどっていると報じた。

記事によると、いわゆる「チャイナショック2.0」への対応策として中欧の代表が今年10月に具体的措置をめぐる交渉を行う予定で、第1段階として貿易フローの監視メカニズムを設ける方針だが、EUはトランプ大統領のような全面的な関税戦争は望んでいないという。

記事はこのほか、中国のSNS上においてフォン・デア・ライエン欧州委員長がオフィスで美的のエアコンの涼風を浴びているAI合成画像が拡散していることや、多くの欧州人が生まれて初めてエアコンを設置して喜んでいるとする報道に対し、中国のネットユーザーが「祖先が初めて自動車を見た時のようだ」とコメントしている様子も紹介。中国国家統計局のデータでは中国の家庭は平均1.5台のエアコンを保有しており、猛暑の中で汗だくになる欧州人の姿を見て不思議に思う中国人が少なくないと伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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