学生寮が香港の不動産投資において重要な分野になりつつあります。香港取引所に上場する遠東発展(0035.hk)は7月6日、九龍の油麻地にあるホテル物件を保有する子会社を、インターネット大手の京東(JD.com)に7億5000万香港ドル(約154億6000万円)で売却すると発表しました。

当該ホテル物件は現在学生寮へ改装中で、2026年下半期の完成を予定しています。

昨年末以来、香港や中国本土、さらには海外からの資金が香港の学生寮プロジェクトに流入しています。香港政府は昨年7月に計画を発表し、既存のホテルやオフィスビルを寮へ改装するよう市場に奨励しました。2026年2月までの半年余りの間に、市場ではすでに21件のホテルや一棟住宅が学生寮への転用を目的として取引されています。

この傾向の主な背景には、香港における深刻な学生寮不足があります。現地の不動産大手・中原集団の関係者によると、香港にはQS世界大学ランキングの上位100校に5校が名を連ねており、教育ブランドの魅力が高く、非地元学生数は過去6年間で92.1%以上増加しました。しかし、学内寮の供給が不足しており、非地元学生の7割以上が学外で住居を確保する必要があります。

米系不動産サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)の統計と予測によると、香港では2025年から2026年度には学生向けの宿泊施設のベッド数が約7万6300床不足し、2029年から2030年度にはその不足数が約14万7000床へとほぼ倍増する見通しです。業界では、学生寮の供給は短期的に依然として逼迫した状態が続き、今後3年から5年は強い需要が続くとみています。

もう一つの背景は、高い収益性と安定性が見込めることです。英国の総合不動産サービス大手ナイトフランク(Knight Frank)が昨年11月に発表した報告書によると、香港の学生向け宿泊施設の市場利回りは4.5%から5%であるのに対し、現地の伝統的なグレードA級オフィスビルは3.7%、中小型住宅はそれぞれ3.2%と3.6%にとどまっています。

さらに、ホテルから学生寮へ改装しやすい点も挙げられます。

ホテル自体、すでに個室とトイレが備わっているため、改装コストが低く、将来ホテルへ戻すことも比較的容易です。また業界では、京東が中国本土の小売や小型家電、日用品分野を代表する企業であり、その調達力を生かすことで学生寮の運営コストをさらに削減できると指摘しています。

不動産業のコリアーズ・インターナショナル(Colliers International)の関係者は、学生寮は現在の香港不動産市場において最も下落耐性の強い代替資産の一つであり、今後はますます多くの国際資金にとって、リスク回避や長期投資の有力な選択肢になるとの見方を示しています。(提供/CGTN Japanese)

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