数ミリリットルの無色透明な液体が入った小さな試験管。一見すると何の変哲もないが、「これは何に使うものか?」と尋ねると、四川省農業科学院生物技術・核技術研究所の胡彬華(フー・ビンホア)副研究員は「『天府稲芯1号』だ。

標的シーケンシング技術を基盤としたイネ育種用液相チップで、イネの遺伝子検査を行うことができる」と説明した。四川在線が伝えた。

わずか1滴の液体で、イネの育種に重要な50か所以上の機能遺伝子座を一度に検出でき、イネ全体の育種期間を3分の1以上短縮することが可能だ。

胡氏は「この1滴の中には5000種類の豊富なイネ遺伝資源の多型マーカーが集約されている。50種類以上の重要な農業形質を制御する機能遺伝子マーカーとハプロタイプマーカーを網羅している。これは『遺伝子の漁網』のようなものだ。5000以上の遺伝マーカー情報(遺伝子座)は5000個以上の餌のようなもので、それぞれが特定の魚、つまり特定の機能遺伝子だけを捕まえることができる」と例を挙げながら分かりやすく説明した。

胡氏はイネの葉から採取したDNAサンプルを試験管に入れ、高スループット自動分析装置にセットした。しばらくすると、隣のコンピューター画面にさまざまな色の点が表示された。胡氏は「色の違いはそれぞれ異なる遺伝子特性を表している」と述べた。

機能遺伝子は耐病性、米の品質、高収量などイネの形質を決定する。優れた機能遺伝子が多く集積されるほど、そのイネ材料は一般的に優秀であることを意味する。

イネ育種研究者たちは世代を超えて努力を重ねてきたのは、より多くの優良機能遺伝子を目標とする材料に掛け合わせるためだ。

四川省農業科学院生物技術・核技術研究所党委員会委員、副所長の王平(ワン・ピン)氏は、「天府稲芯1号があれば、個々のイネがどのような特性を持っているかを正確に判定し、優れた特性を持つ個体を選び出す一方、肉眼では見分けられない異常個体を排除できる。これにより、育種の効率と精度は大幅に向上する」と語る。

では、育種効率はどの程度向上するのだろうか。

自然環境では、イネは播種から生育、出穂、開花、成熟・収穫まで、1回の栽培に一つの生育シーズンを要する。四川省では通常、年間1世代しか栽培できず、海南省などの熱帯地域で世代促進栽培を行っても年間2~3世代が限界だ。

王氏は「このチップを利用すれば、実験室で事前に遺伝子スクリーニングを行い、不要な個体を早い段階で淘汰できる。その結果、育種全体の期間を3分の1以上短縮でき、圃場での栽培・管理作業も大幅に削減できる」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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