中国メディアの環球時報は3日、米国の人工知能(AI)専門ウェブメディア、Understanding AIに掲載された「私は中国のロボット犬に4000ドルを費やした」とする文章を紹介した。
それによると、ワシントンDCのマウントプレザントという緑豊かな地区に住む筆者は6月の晴れた朝、四足歩行ロボットを伴って職場へ向かった。
筆者の相棒は中国ロボット開発大手の宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)製で、ホワイトハウス近くの筆者のオフィスまで2マイル(約3.2キロ)の道のりをバッテリー残量に余裕を残して歩いた。筆者は勤務時間中にバッテリーを充電したが、ロボット犬は午後の帰宅時、ほとんど上り坂だったことと気温が30度まで上昇していたこともあって、ちょっと「疲れていた」という。
筆者はこの9カ月間に、数十もの研究論文を読み、中国を含む5回の取材旅行を行い、中国からロボット犬を購入した。その目的は読者に「ロボット工学の進歩のペースと、それが経済に及ぼす影響を理解してもらうため」だという。
筆者によると、何人かから「そのロボット犬は何に役立つのか」と聞かれたが、正直なところ、あまり役立っていないという。ユニツリーの四足歩行ロボットは、学術研究に広く利用されており、娯楽目的で使われることもある。しかし、実用的な用途はあまり多くないという。しかし、筆者のロボット犬の大きな強みの一つは、驚くほど安価だということで、筆者が費やした4017ドル(約64万2720円)は、数年前であればこの種のロボットに支払わなければならなかった金額よりはるかに安いという。
筆者は「世界を変えるのは、時として、新しい技術を発明することではなく、それを大衆市場にとって手頃な価格にする方法を見つけることだ」と指摘。ゼロックスはグラフィカルユーザーインターフェースを備えた最初のパーソナルコンピューターを開発したが、アップル、IBM、マイクロソフトなどがその技術を主流にしたことに触れ、「おそらくユニツリーは四足歩行ロボットにおいて同様の役割を果たすだろう」との考えを示した。
筆者によると、ユニツリーは四足歩行ロボットを足がかりとして、より重要な市場となる可能性を秘めた人型ロボット市場への進出も果たしている。
筆者が6月上旬に訪ねたジョージ・メイソン大学のロボット工学者は「10年前は、四足歩行ロボットの研究に取り組んでいたのはごく少数の研究グループだけだった。その後、ユニツリーが市場に参入して四足歩行ロボットを大衆化させた」と語る。
筆者によると、ユニツリーのおかげで、筆者を含む多くの人々が四足歩行ロボットを手頃な価格で手に入れられるようになった。中国政府による政策支援の規模を正確に把握するのは難しいが、政策環境がユニツリーの製造規模拡大、ひいてはロボット1台当たりのコスト削減に大きく貢献したことは明らかだ。
筆者によると、6月に「私たちはまた新たな中国のハードウエア大手の誕生を目撃している」と記したAI研究機関SemiAnalysisのチームは、ユニツリーについて、世界のドローン市場を席巻する中国企業DJIとの類似点を指摘した。約10年前のDJI製品と同様に、筆者のロボットを含むユニツリーのロボットもまだ粗削りな部分が多い。しかし、最先端技術においては、洗練さはそれほど重要ではなく、はるかに重要なのはコスト削減だという。
SemiAnalysisのチームによると、DJIは、高価で技術的に難しい部品を外部サプライヤーから調達するよりも安価に製造する方法を見つけ出し、他のドローンメーカーよりも低価格で販売することを可能にした。DJIが登場する以前は、プロの空撮はヘリコプターやハリウッドの撮影チームの専売特許だった。しかし今では中小企業でも自社で撮影できるようになり、不動産物件情報や結婚式のビデオ撮影、地域ニュース、農業調査など新しい市場が開拓された。DJIが世界のドローン市場を席巻したように、ユニツリーも歩行ロボットで同様の成功を収める軌道に乗っているという。
筆者は「こうした状況は米国の一部の政策立案者を不安にさせている。











