香港メディアの香港01はこのほど、四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で飼育されているジャイアントパンダのベイシア(北侠)の話題を紹介した。ベイシアは誕生時に母親によって左前肢と顎の骨を傷つけられ、下顎が徐々に左に傾いて「ゆがんだ顔」になり、ミルクが漏れて発育に影響が出るまでになった。

そのため、四川大学華西口腔医院のチームが歯科矯正に取り組み、ベイシアは半年を経て正常に飲食できるようになった。

ベイシアが生まれたのは2022年で、母親の育児経験の不足による不適切な力の加え方により、誕生から24時間しないうちに左前肢の手首部分に重度な損傷を負って不可逆的な虚血性壊死が生じ、切断せざるを得なくなった。また、外力により顎の骨も損傷した。

ベイシアは前肢を失ったためにミルクを飲む姿勢と力の入れ方が異常になり、顎の骨の損傷も加わって、下顎が徐々に左に傾いて「ゆがんだ顔」になり、口腔内の「吸い込み力」も不完全になり、飲んだミルクを頻繁に口から漏らすなど、栄養摂取に深刻な問題が出た。

ベイシアの「食事の問題」に取り組むことになった四川大学華西口腔病院のチームは綿密な分析と判断を経て、人の歯列矯正における、幼少期の骨の成長期を利用して、顎の骨格自体の発達を正しいバランスに導く「成長改良」の手法を適用することに決めた。

世界初! 成都の「顔がゆがんだパンダ」が歯科矯正に成功―香港メディア
パンダ「北侠」

手術は2023年初めに行われ、午後9時から午前1時まで続いた。ベイシアの手術に当たった歯科矯正科の竜虎医師は、「手術室の中は人でいっぱいでした。歯列矯正医、画像診断科の専門家、獣医、飼育員、麻酔科医……。まるで人の心臓や臓器移植などの大手術を行う時のような陣容でした」「ジャイアントパンダの顎の骨の発育に関する研究はほぼ白紙状態でしたが、パンダの健康のために、我々のチームはこの試練に立ち向かうことにしました」と説明した。

矯正器具の作成には事前に口腔内をスキャンする必要がある。竜医師によると、ベイシアは非常に協力的で飼育員の上に大人しく座っていたので、スキャンは1回で成功したという。

飼育員にとっては、その後も6カ月にわたって苦労が続いた。

矯正器具はベイシアにゴムバンドを使って装着されている。飼育員はベイシアが毎回ミルクを飲む前にゴムバンドを外し、飲み終わると再び装着せねばならなかった。また、ベイシアは口の中に異物があることに慣れないため、舌で押したり、手や足で引っ掻くなどして、ゴムバンドを外そうとした。飼育員は、ゴムバンドが外れたり誤って飲み込まれることを防ぐと同時に、矯正効果を確保するため、常に厳密な監視を行わなければならなかった。
世界初! 成都の「顔がゆがんだパンダ」が歯科矯正に成功―香港メディア
パンダ「北侠」

しかし半年間の継続と治療を経て、矯正効果は極めて顕著に現れた。ベイシアの下顎のゆがみは基本的に矯正され、吸ったり、噛んだり、飲み込んだりする機能はいずれも正常になった。ベイシアはすでに4歳になり、極めて健康だ。そして多くのネットユーザーが、ベイシアが健康で楽しく成長できるよう祈っている。(翻訳・編集/如月隼人)

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