今注目のアプリ、書籍をレビュー

1

「anone」8話。偽札づくりの破綻が迫る、広瀬すずと清水尋也のラブストーリーだけが救いだ

2018年3月14日 09時45分 ライター情報:大山くまお
広瀬すず主演、坂元裕二脚本の水曜ドラマ『anone』。“偽札づくり”という犯罪を通して、世の中からこぼれ落ちてしまったような人たちの人間模様を描く。キャッチコピーは「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」。

先週放送された第8話では、ハリカ(広瀬すず)、亜乃音(田中裕子)、持本(阿部サダヲ)、るい子(小林聡美)、そして中世古(瑛太)による偽札づくりが破綻するまでが描かれた。起承転結でいえば“転”にあたるエピソード。彼らの目論見は無残に転んでしまう。
イラスト/Morimori no moRi

『anone』を覆う「得体の知れない何か」


第7話では偽札づくりそのものの楽しさが描かれたが、第8話では楽しい日常生活と非日常的な偽札をめぐる非日常的な行為が対比されていた。苺大福を食べながら持本とるい子の間にスマホアプリでハートを浮かべて笑い転げる亜乃音とハリカは、どこにでもある日常の光景。自販機に入れた偽札を回収するために、1万円札を持って続けざまに酒屋でおつまみを買うのは、不自然な光景。彼らの不自然さに気づいたのは、亜乃音に好意を抱く弁護士の花房(火野正平)だ。

「ちょっと変っていうのはな、得体の知れない何かが隠れてるときに感じるものなんだ」

わずかな異変は、大きな隠しごとの表れだということが多い。昨今の政治ニュースを見ているときにも感じることだ。さすが花房先生である。

彼が言う「得体の知れない何か」の正体はわからないが、法律を遵守する弁護士である花房にとって、“ニセモノ”が本物に入れ替わっていくこと自体が「得体の知れない何か」なのかもしれない。

“母”に甘える義理の娘・玲


第8話の前半では、ニセモノの人間関係が交錯する。

「本当のことを言ってほしいんだよ」
「本当、本当だよ」

中世古は妻の結季(鈴木杏)にも、もっともらしい顔をして平気で嘘をつく。家族への愛情より、お金への執着が勝っているように見える中世古の食卓は、到底楽しげなものには見えない(中世古は亜乃音たちとも楽しく食事することができない)。彼は偽札づくりという目的のために、亜乃音の義理の娘、玲(江口のりこ)にも近づいていた。人間関係などすべてニセモノでいいと考えているのだろうか。

「彼に救われたんだよ」

一方、母子家庭で辛い生活に耐えてきた玲にとって、中世古とのニセモノの関係でさえ救いになっていた。しかし、それも破綻に近づいていると薄々感じていたようだ。玲は距離を置いていた亜乃音に思いのたけをぶちまける。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    火野正平死んでたら確実に全員バッドエンドにしかならないからな。

    1
コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!