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寺で製作発表会。江戸時代のすごろくゲーム「浄土双六ペーパークラフト」鐘の音とともに般若心経スタート

2018年9月22日 09時45分 ライター情報:小村トリコ
「ここに仏が生まれました。みなさん、合掌礼拝」

「ははあ〜」「ありがたや」「あやかりたい」

お寺の本堂で、深く頭を下げる参加者一同。
おがむ先は、仏様でも僧侶でもない。ボードゲームのプレイヤーである。
製作発表会の様子

9月16日、江東区の陽岳寺(ようがくじ)で、「浄土双六ペーパークラフト 箱詰め会&製作発表プチパーティ」が開催された。

「浄土双六」(じょうどすごろく)とは、江戸時代に生まれた仏教ボードゲーム。現代のすごろくの原型だといわれている。
当時の世界観をそのままに、ペーパークラフトのすごろくとして復刻した。
ゲームの鍵となる「仏」のお面。阿弥陀如来などの仏様がモチーフ

地道な作業から始まる製作発表会


当日集まった30名弱の参加者たち。
まずはすごろくの試作品を作りながら、大量に届いた各パーツを整理して、箱詰めを行っていく。今回の参加者は、観客でありながら協力者でもあるのだ。
作業が一段落したら、いよいよ本堂での製作発表会がスタート。
製作の目安時間は15〜25時間。ガチなペーパークラフトだ。大人がたくさん集まったので、1時間程度で出来上がった

「もちろん読みますよね?」「聞きたい!」

会場からのリクエストにこたえて、陽岳寺の副住職・向井真人さんによる読経タイムが始まった。
参加者には、お経のあんちょこである「聖典」が配られる。

「読めなくても怒らないので、ご唱和くださいね」

向井さんの言葉にクスクス笑いが漏れたが、鐘の音とともに般若心経がスタートすると、会場の雰囲気は一転。
参加者と並ぶ形でお経を読む向井さん

まるで読経ライブだ。
普段は穏やかにゆったりと話すお坊さんも、お経となると腹の底に響くようなバリトンボイスに変わる。このギャップは何なのか。
〆は全員で御本尊に合掌。
浄土双六ペーパークラフトを紹介

僧侶とプロ制作チームのタッグによる本格仏教ゲーム


陽岳寺では、2015年から仏教をテーマにしたボードゲームを作り始めた。
きっかけは「お寺に来てくれる人におみやげを渡したい」との思いから。ボードゲームのプロ制作チーム「ゲーミフィジャパン」の協力により、本格的な制作に乗り出した。

本作「浄土双六ペーパークラフト」は第4作目となる。
今年1月にクラウドファンディングを実施し、73名からの支援によって資金を調達。その後、各宗派の僧侶と支援者による全6回のワークショップを経て構想を練り、今回の完成に至った。
組み立てるとこんな感じ。おフダのようなものがすごろくの「マス目」

基本的なルールは普通のすごろくと同じ。
プレイヤーはそれぞれ自分のコマを持ち、サイコロをふって、スタートからゴールまでのマス目を進んでいく。

ふりだしは「人間界」。あがりは「浄土」、つまり仏様がいる場所。
ペーパークラフトで作られた立体構造物は、「天界」「地獄」など、仏教では六道(りくどう)や三界(さんがい)と呼ばれる世界を表している。

ライター情報

小村トリコ

フリーライター。米シアトルの新聞社を経て東京へ。日本の伝統と、日米のカルチャーギャップが最近の研究テーマ。お坊さんを追いかけています。
Twitter:@torikomura

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