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居酒屋バイトにも資格が必要 日本と異なるオーストラリアの資格事情

2018年9月20日 12時20分

ライター情報:青砥えれな


長期で海外に住もうと思った時、心配になるのは収入源だろう。筆者も以前ワーキングホリデービザでシドニーの空港に降り立った時、「オーストラリアでやっていけるか」「アルバイトをどうしようか」と、ため息をついたのを覚えている。日本人がすぐに働けそうな海外でのアルバイトで真っ先に思いつくのは、すしやラーメンなどの日本食レストラン、多国籍飲食店、居酒屋やバーだ。資格があれば美容師や日本語教師という選択肢もある。

就労可能な身分でオーストラリアに滞在できても、レストラン、居酒屋、バーで誰でも働けるとはかぎらない。飲食店のホールサービスの仕事でも資格を要求されるからだ。飲食店以外にも、日本では資格が必要ない職種も、オーストラリアでは資格が要求されることがある。


アルコールを出す飲食店で必要な資格「RSA」とは


オーストラリアではRSA(アルコールに関する責任あるサービス)という資格がある。この資格はアルコールを正しく扱うことを証明する資格だ。同資格を持っている人でないと飲食店でアルコールを扱えない。

さらにRSAは州ごとになっている。シドニーのある東南部ニューサウスウェールズ州では、オンラインまたは学校での資格取得が推奨されている。一方で、南部ビクトリア州ではオンラインでの取得が認められておらず、ニューサウスウェールズ州で取得しても再度取り直しを要求される。州によって定められた項目や要求に応じなければならない。

RSAさえあれば、逆に多少英語が不安でも、日本食レストランなどでは仕事がしやすい。電話での応答、注文の取り方、受付けの仕方など基本的なことを覚えてしまえば、そこまで高度な英語を必要としない。従業員が日本人であることが多い日本食レストランであれば、指示などは基本的に日本語が使われることが多いからだ。

建設作業員に要求される資格「GIT」と「ホワイトカード」


都市開拓の進んでいるシドニーでは、至るところで工事をしているため、毎日ドリルで地面を削る音が聞こえている。シドニーの建築現場は男性が多いが女性もいる。男性は建設中の建物内や足場での作業、女性は建築現場周りの交通整理などをしている。

これら建築現場で働くにも資格が必要になる。GIT(州間一般建築導入トレーニング)カードまたはホワイトカードという認定証だ。これを持っているということで、職場の安全性、危険性およびそれらを管理する基礎知識があることを証明する。

ニューサウスウェールズ州政府の管理するSafeWork NSWのサイトでは、2012年1月1日以降発行されたGITカードまたはホワイトカードは同州だけでなく、オーストラリア全土で有効となり、国一律の資格になっている。

特殊野生動物のケアにも資格は必要


野生動物の保護はオーストラリアでもよくある。傷ついた動物がいた場合、動物病院へ連絡すると、そこで介抱される。野生動物にはコアラ、カンガルー、ポッサム、ディンゴやタスマニアンデビルなどのオーストラリア特有の動物もいれば、トカゲ、ヘビやワニなどの爬虫類も保護されることがある。動物病院でも対応できないくらい保護される野生動物がいるため、リハビリテーション許可証という資格を設けている。

ただし許可証があれば保護が簡単というわけでもない。コアラを例に取ってみる。NPO団体「Wildcare Australia Inc」のウェブサイトによれば、まずコアラの食べ物である新鮮なユーカリを入手することが難しい。さらに、コアラがきちんと食べているかどうか確認しないといけない。捕食者に家庭犬が挙げられているので、犬のそばでの世話は不可としている。夜行性のため、夜に世話をする必要があるし、屋外に大きなエンクロージャー(フェンスなどの囲い)を必要としているため、それが用意できないと保護は不可能だ。

野生動物の保護は大変な仕事になるが、ほぼボランティアであるため、根気があり、動物を愛していないと気が滅入ってしまう作業だ。

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ライター情報: 青砥えれな

Webジャーナリスト(取材、撮影、執筆)・市場調査員(取材、執筆、翻訳)・エッセイスト・医療課程専門士(元医薬品関連研究員)。デンマークでの生活を経て、オーストラリア在住。放浪した国は20カ国以上。

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