「21年以降、やはりアジアが世界の中心になる。スーツは欧州発祥。一方でアジアは新興市場で、カジュアルな普段着が受け入れられる要素が多い。最良の服として世界ブランドに、アジアから初めてなりたい」
カジュアル衣料ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、“ポストコロナ”のアパレルの世界の勢力地図について、2020年12月28日付日本経済新聞電子版のインタビューでこう語っている。
グローバル旗艦店を銀座にオープン「どこに出しても恥ずかしくない、世界を代表する『フラッグシップストア(旗艦店)』をつくりたい」(20年6月17日付読売新聞オンラインより)――。日本発の世界ブランドを目指す柳井氏の思いである。
ユニクロのグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO(ユニクロ トウキョウ)」が2020年6月19日、東京・銀座3丁目にオープンした。国内では14年以来の旗艦店で、約5000平方メートルの売り場面積は日本最大級だ。「ユニクロ トウキョウ」が開店した6月19日はエアリズムマスクの発売日でもあった。ECサイトはアクセスが集中したためつながらず、店頭では長蛇の列ができ“三密”が危ぶまれる事態となった。
ユニクロは機能性肌着ヒートテックやエアリズムで消費者の熱い支持を得た。エアリズマスクは高性能フィルターで飛沫をブロックする。ユニクロの機能性マスクへの期待が大きかった表れである。このエアリズムマスクの集客効果は大きく、国内の既存店売上高が7カ月連続で前年同月比プラスとなる原動力となった。