皆さんの中には「毎日、体が重くてしんどい」「寝ているのに疲れが取れた気がしない」と感じている人も多いのではないでしょうか。その一因となっているのが、慢性的な睡眠不足。
梶本氏によると、休養力を高めるカギとなるのが「脳」と「自律神経」。疲れを癒やそうとすると私たちはまず体のケアを考えますが、実は自律神経をいたわる「脳ファースト」を心がけるのが大事なのだそうです。本書を読むと、日ごろ私たちが疲労回復によいと思っておこなっている行動が、いかに「脳ファースト」に即していないかがわかります。たとえば疲れた日はゆっくり湯船につかろうと考えがちですが、「湯船につかると、体温調節を担う自律神経は余計に疲れてしまうだけ」(本書より)。どっと疲れている日はむしろシャワーだけですませて早く眠りにつくほうが、疲労回復効果は高いそうです。
このように「疲労感」だけ取れていて、実際の「疲労」自体はまったく軽減していないことは他にもあります。サウナや岩盤浴、ホットヨガ、スタミナ食なども肝心の脳は癒やされず、自律神経をクタクタに疲弊させてしまっている可能性もあるそうです。また、体にとって快適な環境が、脳にとっても快適とは限らないこともあります。夏にエアコンをつける際、女性は28℃ぐらいを好む人も多いですが、「人類の脳にとって快適な気温は、万人共通で22~24℃であることがわかっている」(本書より)とのこと。
では、具体的にどのようなことを取り入れればよいのでしょうか。もちろん本書では、「正しい休み方」についても詳しく紹介されています。寝る際の温度、夜の照明、寝る姿勢、手軽な筋肉の鍛え方などなど......。さらには、疲労が回復する食事、自律神経を疲れさせない働き方や生活についても記されています。
「こんなに体のケアをしているのに、なぜ疲れが取れないの?」と悩んでいるなら、体ではなく「脳」に目を向けてみると解決の糸口が見つかるかもしれません。「脳ファースト」のメソッドでうまく休み、年を重ねても健康で生き生きとした毎日を送っていきたいものですね。
[文・鷺ノ宮やよい]