50ccのいわゆる「原付」が生産中止となり、これからは「新基準原付」が毎日の移動を支える「生活の足」として普及するかどうか、という情勢だが、ユーザーは正直なところ、どう思っているのだろうか? 日本自動車工業会(JAMA)が2年ごとに実施する「二輪車市場動向調査」から紐解く。

ユーザーは様子見?

日本自動車工業会 調査部 二輪車分科会が発表した「2025年度二輪車市場動向調査」の定量調査結果によれば、二輪の週間使用日数は前回(2023年度)から微増となる平均3.2日。
そのうち、平均4.5日と最も高い稼働率を記録したのが、長きにわたり生活の足として親しまれてきた50ccのスクーターだ。

しかし、旧・原付一種スクーターは2025年11月をもって生産を終了し、新基準原付へと切り替わった。今後、新基準原付が旧原付一種の代替品として普及するかが注目されるが、調査では名称レベルまで含めた認知率が84%、大まかな内容まで把握していると答えた人の割合は66%に上った。

認知度はそれなりに高い半面、興味については「全く興味がない」「あまり興味がない」が計54%でそれほど高くはないという結果が出た。

普通自動車免許の保有者で原付を所有しているユーザーに限った数値を確認すると、「非常に興味がある」「やや興味がある」と回答した合計値は41%。この状況を調査部会・二輪車分科会長の吉岡晋哉さん(ヤマハ発動機販売 YMSJ営業統括部カスタマーエクスペリエンス部)は、「(原付から)新基準原付(への切り替え)が、自分の使い方にどのような影響があるかを気にしている様子がうかがえる」と分析する。

二輪を保有するユーザーおよび非ユーザーを対象に実施したFGI(フォーカスグループインタビュー)調査では、旧・原付一種のサイズ感や車重が評価される一方、原付よりも大きくて重い新基準原付に対する警戒感が確認できた。将来的な購入意向については、「様子見」や「候補のひとつ」といった意見が見られたという。

二輪車分科会の今後の取り組み方針は?

定量調査とFGI調査の結果から示唆される点として二輪車分科会は、「ユーザーにおける新基準原付の認知率は相応に高いが、興味・関心を抱くのは原付の運転免許(普通自動車免許)を持つ層に限定される」「日常の足としての適切な規模感が失われる不安を抱えるユーザーの存在」の2つを挙げた。

この結果を受けて二輪車分科会は、今後の新基準原付に対する取り組み方針として、「原付一種ユーザーを中心に新規準原付の魅力を具現化する方向性」を示した。

具体的には、「(新基準原付には)大きくて重いという面はありますが、例えばトルクが高くなって乗りやすくなっているといったメリットも知っていただく。そのために、実際に乗っていただく機会を設けるなど工夫をしていきたい」とのことだった。


安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら
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