福間香奈女王に西山朋佳女流三冠が挑戦する第19期マイナビ女子オープン五番勝負は、両者1勝で迎えた第3局が4月29日(水・祝)に神奈川県藤沢市の「時宗総本山 遊行寺」で行われました。対局の結果、力戦調の相振り飛車から抜け出した西山女流三冠が83手で勝利。
中盤の見落としに乗じて一気に寄り切り、女王復位まであと1勝と迫りました。
○阿吽の呼吸の相振り飛車

一週前に行われた第2局を落とした西山女流三冠、この日は3手に四間飛車に構える趣向を打ち出し、心機一転を図りました。飛車の活用を後回しにして囲いの発展を急いだのは、前局で福間女王が見せた積極策とよく似た構図で、金銀の厚みで石田流に構えた後手の大駒を圧迫したい狙いが見て取れます。盤上は早くも力戦の様相です。

西山女流三冠は左辺の端攻めを決行して、やがて9筋に竜を作って主導権を握ります。この竜が後手玉に王手をかけた局面が本局のハイライトとなりました。受け流しを狙って玉をかわした福間女王ですが局後この手を後悔することに。ここは歩を打って丁寧に受けるのが正着で、それなら息の長い戦いが予想されました。

○見落としに乗じて一気に決着

チャンスを迎えた西山女流三冠の目が光ります。タタキの歩の王手で玉形を乱したのが当然とはいえ好手。後手玉の逃走路はしっかりケアしており入玉される恐れはありません。終局時刻は15時44分、このまま攻防ともに見込みなしと認めた福間女王が投了。
急転直下の早い決着となりました。

勝った西山女流三冠はこれで2勝1敗と復位に向けて王手。敗れた福間女王は「玉形がまとめにくい形になって終始自信のない展開になった」と悔しさをのぞかせました。西山女流三冠がこのまま押し切るか福間女王が意地を見せるか、福間女王の先手番で迎える注目の第4局は5月19日(火)に東京・将棋会館で行われます。

水留啓(将棋情報局)
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