冨安は「できる環境でやらないといけない」と前を向いた(C)Etsuko MOTOKAWA

 北中米ワールドカップ(W杯)本番に向け、3週間の準備期間を与えられている日本代表。ご存じの通り、5月25日~31日にかけての最初の1週間は国内で調整。

1シーズンを戦い抜いた欧州組の疲労を取りつつ、連携・連動を高めていくのが狙いだった。

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 その第一段階を終えて、6月2日から乗り込んだ事前合宿地・モンテレイでは、高温多湿の環境で徹底的に追い込んで、暑さの中でタフに戦える状態を作り上げるのが最大のテーマだった。

 現地練習初日の3日は10時スタートだったため、気温33度超とギラギラと太陽が照り付ける中での調整ができ、目標達成に近づいていけそうな前向きなムードが漂った。

 しかしながら、17時スタートとなった4日と5日は雨の影響もあって気温が低下。特に5日は気温26度で肌寒い感じ。湿度は高かったものの、かなり快適な環境下での非公開練習になってしまったのだ。

「今日は天気もよくないですし、もうちょっと暑ければありがたいかなと思います」と冨安健洋(アヤックス)も苦笑い。北米を熟知する吉田麻也(LAギャラクシー)も「天気は難しいですよね。どんなに視察しているといっても、そういうことは起こりえるので」とそこまで深刻に捉えることなく、前向きに取り組む重要性を伝えていくつもりだ。

「大事なのは今ある手札の中でどうやって自分たちがいい状態を作っていくか。彼らはアジア予選も沢山経験しているし、欧州でも移動を沢山経験している。これでブレるなら、そもそも目的にはたどり着かないでしょう」と吉田は強調。

この逆境をどう先につなげていくかが肝心だろう。

 実際、日本代表に関わるスタッフ陣は本当に努力を重ねて環境を整えたのだという。当初予定していたメキシコ1部・ティグレスの練習場を筆頭に、3日に使った大学の施設、4、5日に使った同・モンテレイの練習場などを全て回り、気象条件もチェックして、万全の準備で今回の事前合宿を迎えたはずだった。が、結果的には物事が思うように進まず、暑熱対策も中途半端な形になってしまっている。

 ただ、それもサッカーにはつきもの。本当に力のある集団はどんな困難も乗り越えて、勝ち進んでいくはずだ。

「2014年(ブラジルW杯)の時は涼しいところでキャンプをやったという話は聞きました。今回が同じとは言わないですけど、できる環境でやらないといけない。僕ら選手は言い訳せずに、出来る限りのことを集中してやるだけかなと思います」

 吉田の22番を引き継いだ冨安が毅然をこう語った通り、2014年ブラジルW杯と似たような流れになっていたとしても、同じ轍を踏むことだけは許されない。残り2日間となったモンテレイ合宿をあらゆる意味で実りの大きなものにするために、今はチーム全員が力を結集させる時。吉田の合流も起爆剤にして、困難を乗り越えてもらいたいものである。

[取材·文:元川悦子]

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