ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・アンジュルムが、5月11日に通算30枚目のシングル『愛・魔性/ハデにやっちゃいな!/愛すべきべき Human Life』をリリースする。昨年末に加入した新メンバーの平山遊季と彼女を笑顔で見守る先輩の佐々木莉佳子、上國料萌衣にインタビュー。
【写真】アンジュルム新加入・平山遊季&ソロでも活躍佐々木莉佳子・上國料萌衣 個性あふれる撮り下ろしカット
新加入・平山遊季の持ち味は“豊かな表情”と“歌声の大人っぽさ”
――加入して約半年の平山さんは、今回の最新シングルがアンジュルムとしてのデビューシングルとなりました。加入まで所属していたハロプロ研修生時代にもレコーディング経験があったと思いますが、制作の上で違いを感じた部分はありますか?
平山:研修生時代は明るく元気なイメージの曲が多かったのですが、私は声が低く、重くなってしまうクセがあるので、「もっと明るい声」でと指摘されることがよくありました。でもアンジュルムは大人っぽさやセクシーさを出す曲が多く、研修生の時とはニュアンスが違うので大変でしたが、「低めの声質を生かせば、カッコよくなるよ」と言われるようになったのがうれしくて、自分の特長を生かしていきたいです。
――メンバーとして、すでに多くのステージを経験していますが、アンジュルムとしてのパフォーマンスには慣れてきましたか?
平山:そうですねぇ…。緊張しいなので、緊張がまだ抜けないんですよ。
佐々木:嘘でしょ?
上國料:緊張しているように見えない(笑)。
平山:本当に緊張しています(笑)。コンサートでは、心臓が飛び出ると思うほどドキドキなんです。でも、悪い緊張感ではなくて、気持ちが引き締まる感覚に近いかもしれません。加入から半年が経ち、ステージをこなすにつれて「アンジュルムっぽいパフォーマンスとは何だろう」と考える機会も増えたんです。
――自分でも成長の手応えを感じているんですね。そんな平山さんを、先輩の佐々木さんや上國料さんはどう見ているのでしょう?
佐々木:表情が豊かだなと思います。マイクを手にしながらのパフォーマンスで、目で表現できる子は少ないんですよ。私もまゆ毛の動きや目の細め方、開き方に気を配っていて、動かし方で表現の伝わり方が変わってくるんです。遊季ちゃんは最初から自然とできているし、一緒にステージへ立ちながら「カッコいい」と思っています。
上國料:歌声の大人っぽさも魅力ですね。私は「声に色気がない」とよく言われるので、最初から大人っぽい声を出せている遊季ちゃんに憧れます。元から持っているものですし、アンジュルムに加わった“新しい色”なので、大事にしてほしいです。
――先輩たちにも見守られながら、アンジュルムのメンバーとして平山さんがやりたいことを教えてください。
平山:先輩方が「アリーナツアーをやりたい」とよくおっしゃっていて。実現するため、いろんな人たちに見てもらえるように頑張っていきたいです。
女性誌専属モデル・CM出演…りかこ&かみこのソロ活動がアンジュルムに還元することとは?
――先輩の佐々木さんと上國料さんはソロ活動も順調な印象があります。佐々木さんは、女性ファッション誌『CanCam』(小学館)の専属モデルとしても活躍していますが、ソロ活動がグループにも生きていると思う部分はありますか?
佐々木:モデルとしての撮影現場で得るものは大きいです。パフォーマンスでは細かな仕草にこだわっているので、撮影で学ぶ表情やポージングが、ステージで役立つこともあります。歩き方は学んだことのひとつで、ちょっとした遊び心や工夫を盛り込めるようになりました。それに、私はハロプロでは年長組ですけど、『CanCam』専属モデルでは最年少なので、センスのある先輩方の撮影を拝見するのも自分にとっては勉強になります。編集部の方やスタッフさんとお話しする機会も貴重ですし、「日々、学び」と思って楽しんでいます。
――上國料さんも女性ファッション誌『bis』(光文社)のレギュラーモデル、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系/毎週日曜23時55分)やマクドナルドのCMでも注目されています。グループを離れてのお仕事で学んだことはありますか?
上國料:雑誌の撮影を通して、表現の仕方や意識が変わりました。レギュラーモデルのお仕事をはじめてから、お手本としてたくさんの先輩方を見るようになり、表情をマネするようになったからだと思います。グループのパフォーマンスでも、曲ごとの表情のレパートリーが増えたと実感していて。
――やはり、ソロ活動がパフォーマンスに影響する部分もあると。異なる現場で学んだことも生かしながら、お2人はメンバーとして、個人としてどう活躍していきたいですか?
上國料:グループの活動規模をもっと広げていきたいです。メンバー個々の活動も増えて、それぞれが異なるお仕事で得たものを持ち帰れるようになってきた今、新しいファンの方々が増えていると感じているんです。だから、アンジュルムを大きくするためにソロ活動も頑張りながら、活動していきたいです。
佐々木:最近、ひとりでのお仕事の時に「アンジュルムを見たよ」とおっしゃってくださる機会が増えてきたんです。そうした声は力になるし、以前よりも「自分たちを知ってもらいたい」という気持ちも強くなってきて。「今のアンジュルムを見ないでどうするの?」と言いたいほど私はグループが大好きで、今よりも多くの方に知ってもらいたいです。あと、個人的には…もっとかわいくなりたいと思います(笑)。
メンバーの卒業と加入を繰り返す変化はグループとして一人の人間として変われる機会
――アンジュルムは、メンバーごとの個性が強くて「動物園」と称されるほどです。そんなグループの空気感を、みなさんはどう感じていますか?
上國料:最年長のリーダー、竹内(朱莉)さんの影響がめちゃくちゃ大きいと思います。竹内さんはいつも元気で、ほかのメンバーを巻き込む力があるんです。
佐々木:楽屋が“いい意味”でいつもうるさいんですよ(笑)。本番前の楽屋で、私は音楽を聴いてモチベーションを上げていますけど、ノイズキャンセリングのイヤホンを突破してくるほど、みんなの騒いでいる声が聴こえてくるんです。でも、横目で見ながら「元気で愛おしいなぁ」と思っています(笑)。
上國料:その空気感のまま本番がスタートするから、ステージ上でも仲のよさが出るのかなって。メンバーが楽しんでいないと、お客さんも楽しめないと思うので、大事ですね。
――加入から半年の平山さんは、グループの空気感になじめましたか?
平山:加入したばかりの時は、パフォーマンスに関する質問は積極的に聞いていましたけど、人見知りなので雑談とか自分のことを話すことが苦手だったんです。最近は、私生活の話も先輩方と気兼ねなく話せるようになりました。わちゃわちゃしているので「自分がここにいていいんだ」という安心感があるし、なじみやすい雰囲気はありがたいです。
――舞台裏のみなさんが、垣間見えた気がします。さて、平山さんの加入も一つの象徴ですが、アンジュルムは過去にメンバーの卒業や加入を繰り返してきました。
上國料:最初は、新メンバーの加入に抵抗がありました。先輩方と作ってきたアンジュルムの形が変わっていくのが怖かったんです。でも、今は「常に今が最高と思える」ほどですし、プラスだなと思っています。グループの見え方が大きく変われば、挑戦できることも増えますし、新たな出会いは大切だなと感じています。
佐々木:マイナスに考えたことはないし、プラスでしかないです。私自身、成長できたのは先輩方の卒業や後輩の加入があったからだと思っています。人間として変われる機会が、アンジュルムは多いんですよ。後輩のみんなにも、その機会は大事にしてほしいなと思います。それに、卒業と加入を繰り返して、形が変わってもアンジュルムはアンジュルムだから。時期ごとのメンバーにしか出せない雰囲気もありますし、1つ1つの変化を大切にしたいです。
ハロプロファンも期待の作家陣が集結! 記念すべき通算30枚目シングル
スマイレージ時代からの通算30枚目となる記念すべきシングルはトリプルA面。
最後に3人から30thシングルの感想や注目してほしいポイントを教えてもらった。
――情熱的な1曲目『愛・魔性』に、佐々木さんはどんなイメージを持っていますか?
佐々木:加入してからシングルには初参加の遊季ちゃんの大人っぽさが、きわだっている作品だと思います。最後のパートを遊季ちゃんが担当していますけど、新メンバーで曲の締めを任されるのはレアなんですよ。実力を認められているからだし、すごいなって。グループのパフォーマンスとしては、ダンスが特徴的ですね。サビの決めポーズとか、全員でそろえられるよう一生懸命に練習したし、アンジュルムにはなかった情熱的でカッコいい曲なので、たくさん聴いてもらいたいです。
――ダンサブルな2曲目『ハデにやっちゃいな!』は、上國料さんに紹介してもらいます。
上国料:自己肯定感を高めてくれる曲です。自分らしいかわいさを貫くのは「最強じゃん!」という曲で、私も歌詞に背中を押されます。周りからの評価が怖くて、自分のしたいメイクとかをできない子たちに届けたい1曲です。あと振り付けを入れる段階で、ダンスの先生から「今までとちがうアンジュルムを出したい」ということで、海外の女性ダンサーさんの映像をお手本に、メンバーそれぞれが自分の振り付けを研究しました。
――最後は平山さん、『愛すべきべき Human Life』のおすすめポイントを教えてください。
平山:明るく楽しいイメージですね。自分たちも楽しいし、パフォーマンスを見てくださるファンのみなさんも楽しくなれるかなって。そんな雰囲気なので、私もステージで披露するときは「笑顔を多めに」と考えています。グループの“楽屋感”が出ていますし、歌詞にも先輩方がおっしゃっていそうなフレーズが出てくるので、素の私たちが伝わればと思います。
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)