韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を日本で舞台化するCOCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』より、第2弾キャストとして、キムラ緑子、みのすけ、山内圭哉恒松祐里真木よう子の出演が発表された。

【写真】永井家の“奥様”・千代子を演じる真木よう子

 映画『パラサイト 半地下の家族』は、世界の映画賞を席巻し、社会問題化している「格差社会」というテーマを描きながらも、所々にちりばめられた緻密な伏線やテーマ性が話題を呼び、サスペンス、ブラックコメディー、ヒューマンドラマなどの“ジャンルを超えた傑作”として世界各国で称賛のを巻き起こした。

同作を『愛を乞う人』『焼肉ドラゴン』、舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』などを手掛けた鄭義信の台本・演出により、日本で舞台化する。

 物語の中心となる、裕福な家庭に次第に寄生していく金田一家のキャストに古田新太宮沢氷魚伊藤沙莉江口のりこの出演が発表されると、「絶妙なキャスティング!」「ハマり方がすごい!」と大きな話題を呼んだ。ますます期待が高まるなか、この度、第2弾キャストが解禁となった。

 日本版『パラサイト』の舞台となるのは90年代の関西…。家内手工業の靴作りで生計を立て、地上にありながら地下のように一日中陽がささないトタン屋根の集落で細々と暮らす金田一家とは対照的に、高台の豪邸で暮らす永井一家。

 次第に金田家に“寄生”されていく永井家の主人で、実業家として成功しつつも中身はまるで“土建屋の親父”・永井慎太郎には、舞台やドラマ、映画で独特の存在感を放つ山内圭哉。
美しく品もあるが天然な側面も持ち合わせる永井家の“奥様”・千代子には、デビュー以降数々の人気作に出演し、幅広い層からの支持を得る真木よう子。その娘・繭子を次々と話題作に出演する注目俳優・恒松祐里が演じる。

 さらに、一家の家政婦を務めこの物語のキーパーソンとなる安田玉子には、その抜群の演技力が多くの作品で光る“カメレオン俳優”・キムラ緑子。また、舞台『パラサイト』オリジナルの登場人物として、ナイロン100℃の作品をはじめ毎回鮮烈な印象を残し、鄭の作品に多数出演し信頼の厚いみのすけの出演も決定した。

 COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』は、東京・THEATER MILANO-Zaにて6月5日~7月2日、大阪・新歌舞伎座にて7月7~17日上演。

 ※キャストのコメント全文は以下の通り。


<コメント全文>

■キムラ緑子

「あの衝撃作を舞台化するなんて、ウソでしょう!?」という驚きと共に、「どう立ち上げていくのか知りたい」という好奇心がムクムクと込み上げ、私自身が心から「観たい!」と思う舞台に参加させていただきます。富める者と貧しい者が二極化し、お金があるところにさまざまな人間が呼び寄せられ、パラサイトしていく――今の日本にも響くテーマを内包した作品をライブ空間で見せるために、どうしたらいいか想像つきません。道のりの遠さを思うと「観る側に回ればよかったなあ」と弱気になります(笑)。やると決めたからには、思いきりぶつかっていこうと思っております!

■みのすけ

同世代である古田新太さんとの共演は、僕が所属する劇団「ナイロン100℃」にゲスト出演してもらった『下北ビートニクス』(1996年)以来、なんと27年ぶり! そして映像で共演してきた方も多い座組みで、この豪華メンバーに加えていただき、まずは嬉しい気持ちでいっぱいです。そして初期作品から拝見し、これまで何作もご一緒している大好きな鄭さんの舞台に出られることにも、大きな喜びがあります。今回演じる役は、精神的にも体力的にもギリギリですが(笑)、鄭さんが「みのすけならできる」と思ってくださったからには、その期待に大いに応え、面白い作品になるよう頑張ります。
どうぞご期待ください。

■山内圭哉

実は初めて『パラサイト』を観た時、「これを戯曲化したら面白いだろうな」と思いながら観たんです。でもまさか日本で上演するなんて、そして自分が参加できる日が来るなんて、想像だにしていませんでした。信頼する方ばかりが並ぶ座組みで、しかも、長年仲良くさせてもらっている古田さんとは、30年ぶりの共演。お互いなかなかに老いてから再びご一緒できることに、月日の流れを感じます(笑)。常に弱者からの視点を描いてきた鄭さんの手によって、必ずや、普遍的な物語であることを確認していただけるでしょう。
「映画の方が絶対面白いちゃうん?」と思う方にこそ、観ていただければと思います。

■恒松祐里

すごい原作映画の舞台化、そして大先輩が並ぶビッグな作品で、嬉しくワクワクする気持ちと緊張する気持ち、両方がこみ上げています。人間の根っこにある感情を情熱的に描き、見るものの心を揺さぶり、燃え上がらせる、鄭義信さんの作品に初めて参加させていただくことにも、とにかくドキドキしています。私が演じる裕福な家庭の女の子は、物質的な豊かさはあっても、世間を知らない普通の女子高生。若さゆえに胸に秘めた「誰かに認めてほしい」と思う気持ち、彼女のピュアな部分を大切に、まずは戯曲として心新たに、真剣に向き合っていきたいと思っております。

■真木よう子

まずは映画『パラサイト』を日本で舞台化する企画自体にびっくりし、自分が参加させていただけることにダブルでびっくりしています。
素晴らしい原作を前にプレッシャーはありますが、古田さんを筆頭に“愉快な仲間たち”が揃い、今から稽古場が楽しみで仕方ありません。鄭さんとは映画『焼肉ドラゴン』以来。撮影現場では優しい監督でしたが、風のウワサで聞くと舞台の稽古場では厳しく、“鬼の演出家”だとか(笑)。こうして舞台でもご一緒できることに喜びを感じています。原作の良さを生かしながら“日本版”に置き換えられた、オリジナリティあふれる舞台。素晴らしい作品となるよう、私も尽力したいと思っております。