北朝鮮が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期間に国境を封鎖した後、国際社会の監視が緩んだ隙を突いて死刑執行を大幅に増やしていたことが明らかになった。特に、韓国ドラマや音楽など外部文化に接したことを理由とする処刑が急増しており、「恐怖政治」が一段と強化されたとの分析が出ている。
韓国のNGO・転換期正義ワーキンググループ(TJWG)が28日に発表した報告書「コロナ19パンデミック前後の北朝鮮における処刑マッピング」によると、金正恩政権13年間(2011~2024年)に、同団体の独自調査により確認された処刑は計144件。このうち65件が2020年の国境封鎖以降に発生し、それ以前の同期間と比べて約117%増加した。
処刑された人数も、国境封鎖前の44人から封鎖後は153人へと248%急増した。
死刑の理由にも顕著な変化がみられた。殺人などの凶悪犯罪による処刑は44.4%減少した一方で、韓国ドラマや音楽など外部文化への接触、あるいは宗教活動や迷信行為を理由とした処刑は250%増加。こうした「思想・文化犯罪」が、従来の主要な死刑理由だった殺人を上回り、最も頻繁な処刑理由として浮上した。
北朝鮮当局は2020年に「反動思想文化排撃法」、2023年には「平壌文化語保護法」を制定し、外部文化への接触を死刑で処罰し得る法的根拠を整備した。
処刑方法では銃殺が96.4%を占めて圧倒的に多く、鉄棒やハンマーなど鈍器を用いた事例も確認された。また、公開処刑も広範囲に実施されており、不特定多数の住民を動員した公開処刑が66件、職場など特定集団を動員した公開処刑が28件に上った。
報告書は「大衆を動員する公開処刑では家族にも見ることを強制し、遺体すら遺族に返還しない」と指摘。そのうえで「特定集団を動員した処刑は、見せしめによって恐怖心を植え付けることが目的だ」と分析している。
処刑が行われる地域も拡大している。








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