コロナ禍を脱し、日経平均株価が過去最高値を記録するなど経済が大きく変わろうとしている。そんな中、主要企業はどの大学から学生を採用したのか。
東大、立命館、早稲田が1位
2023年、電機業界に大きな変化があった。台湾のTSMCが熊本県に、大手日系企業連合のラピダスが北海道で半導体工場を建設することになり、半導体関連の人材を集める動きが活発化した。そのため、電機業界の人事戦略では半導体が重要な要素となりそうだ。
日本企業はバブル崩壊後の「失われた30年」で経営の合理化が進み、部門ごとに業務を限定する欧米のガバナンスを取り入れた結果、全社的な成長戦略が難しくなった。
一方で企業の合併・買収(M&A)などを積極的に行い、グローバル化が進む中で、電機各社が求める人材のタイプも変わっている。
22年の3大電機メーカーの採用大学ランキングを見ると、1位は、ソニーグループが東京大学、パナソニックは立命館大学、日立製作所は早稲田大学だった。
果たして、23年のランキングに変化はあったのだろうか。
ソニーは旧帝大、パナは関西系日立は早慶が強さを見せる
23年のランキングでは、ソニーグループの1位は東京大学で前年同様だったが、前年2位だった東京工業大学も同順位の1位に上昇した。3位は前年と同じ慶應義塾大学だった。
パナソニックは前年4位の大阪大学が1位となり、1位だった立命館大学は2位となった。
日立製作所の1位は早稲田大学で前年と同じだったが、2位に前年4位の慶應義塾大学、3位には前年8位だった東京理科大学がそれぞれ上昇した。
大まかな傾向を見ると、ソニーグループは旧帝国大学を中心に国立大が強く、大阪府に本社を置くパナソニックでは関西系の大学が上位に来ている。日立製作所は名だたる国立大、理系大学をおさえて早慶が強さを見せた。
電機メーカーの中には、エレクトロニクス=理系中心という採用方針を見直す企業も増えた。これからは文系・理系の壁を取り払う「文理融合」が電機業界のキーワードになるだろう。
文系の学生は技術に対する理解を深め、理系の学生は製品をどう収益化するかについて学ぶ必要がある。技術から営業までビジネス全体を見渡せる人材が求められている。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。